住宅ローン規制の強化が銀行にとどまらず相互金融や貯蓄銀行にも広がり、実需層の資金調達環境が急速に厳しさを増している。銀行の融資窓口では相談段階から難色を示されるケースが相次ぎ、不足資金を補うため高金利の無担保融資に頼る動きも広がっている。市場では、こうした流れが家計債務の構造をゆがめかねないとの懸念が出ている。
金融業界によると、金融当局による家計債務管理の強化を受け、融資市場全体が急速に冷え込んでいる。複数住宅保有者に対する住宅ローン満期延長の制限など規制が強まるなか、銀行は貸出総量の管理を強化しており、その影響は実需層向け融資にも及んでいる。
銀行の審査が厳しくなると資金需要は相互金融に流入したが、その受け皿も狭まりつつある。Saemaul Geumgoは非会員向けの新規住宅ローンの取り扱いを全面的に中断する方針を決めた。地域農協や信用協同組合でも、家計融資の増加率が高い組合を中心に、非組合員向け融資を制限する動きが広がっている。
貯蓄銀行も厳しい総量規制の対象となっており、第2金融圏全体の融資余力は急速に細っている。
金融当局は最近、一部の貯蓄銀行が家計融資の管理目標を超えたまま貸し出しを拡大したとして、少なくとも3行に対し、今年の家計融資増加率を0%に制限する措置を通知した。対象行は償還額の範囲内に新規融資を抑える形となり、事実上、融資残高をこれ以上増やせない状況となる。
当局は、一般の無担保融資や担保融資を過度に拡大した事例を中心に制裁を適用したとの立場だ。銀行規制の強化で貸出需要が第2金融圏に迂回する動きを遮断する狙いとみられる。実際、先月の金融圏全体の家計融資増加額3兆5000億ウォンのうち、約2兆7000億ウォンは相互金融によるもので、全体の77%を占めた。
問題は、こうした融資の絞り込みが実需層の負担増に直結している点だ。
これまで相互金融と貯蓄銀行は、市中銀行から押し出された中・低信用層にとって、事実上最後の資金調達手段として機能してきた。しかし、そのチャネルまで狭まったことで、入居時の残金を用意しなければならない分譲住宅の購入者や生活資金を必要とする庶民層など、実需層が追い込まれている。金融業界では、一部の借り手がより高金利の私金融に流れる可能性も指摘されている。
住宅ローンは鈍化、無担保融資は増加 家計債務の質悪化を懸念
懸念を強めているのは、資金需要そのものが消えたわけではなく、別の形にシフトしている点だ。住宅ローンの利用が難しくなるなか、無担保融資で不足資金を確保しようとする動きが鮮明になっている。
金融当局によると、先月の金融圏全体の家計融資は3兆5000億ウォン増え、前月より増加幅が拡大した。住宅ローンの増勢は鈍化した一方、無担保融資を含むその他融資が減少から増加に転じ、全体を押し上げた。
特に銀行では、住宅ローン残高が減る一方、無担保融資は持ち直しており、家計融資の増加を主導する構図がみられる。低金利の担保融資ではなく、より金利の高い無担保融資が増える構造へ移りつつある。
住宅購入を進める実需層の間では、銀行の相談窓口の段階から住宅ローンの取り扱いに消極的な空気が強いとの声が出ている。不足資金を埋めるため、いわゆる「ヨンクル」に踏み切り、無担保融資まで活用せざるを得ないとの指摘もある。
金融当局は今後、家計融資の変動性が高まる可能性があるとして、追加規制も示唆している。複数住宅保有者に対する譲渡所得税の重課猶予終了や、中東発のリスクなど外部要因も市場の不確実性を高める要因として挙げられている。
業界では、足元の厳格な家計債務管理は総量抑制には一定の効果が見込める一方、家計債務の質的悪化を招く恐れがあるとの見方が出ている。
金融業界関係者は「融資抑制の過程で、実需層の資金調達環境は急速に悪化している」としたうえで、「住宅ローンが絞られ、第2金融圏まで遮断されれば、より高金利のその他融資に向かうしかない構造だ」と指摘した。