予測市場プラットフォーム「Polymarket」で、利用者の84.1%が利益を計上できていないことが分かった。ブロックチェーンメディアのCryptopolitanが17日(現地時間)に報じた。数百億ドル規模の取引が集まる市場でも、実際に収益を上げられる参加者は一部に限られている実態が浮き彫りになった。
2026年4月に公表されたアンドレイ・セルゲエンコフ氏の分析によると、利益を出した利用者は6人に1人未満だった。2年前には利益を出していた利用者の比率が約40%だったが、足元では損失を抱える利用者の割合が大きく上昇したという。セルゲエンコフ氏は、その背景として2024年11月の米大統領選前後に流入した新規利用者の増加を挙げた。
利益はごく一部に集中していた。2025年12月にブロックチェーン研究者のDeFi Oasisが公表したオンチェーン分析では、Polymarketのウォレットアドレスのうち0.04%未満が、実現利益全体の70%超に当たる37億ドル(約5550億円)を占めていた。これは利益を出した利用者全体の比率ではなく、利益の大半を握る最上位層の比率を示したものだ。
こうした構図について、アリゾナ州選出の民主党所属、ヤサミン・アンサリ下院議員はPolymarketとKalshiを批判し、一部の富裕層や権力者が「ハウス」となり、残りの参加者は「チップ」のように扱われるカジノだと指摘した。
セルゲエンコフ氏の分析は、従来研究よりも損失を計上した利用者の比率を高めに示した。フェリックス・ライヘンバッハ氏とマルティン・バルター氏による2025年の研究では、損失比率は約70%と推計されていた。セルゲエンコフ氏は、ウォレットの分散や統合まで考慮したことが差につながったと説明している。
収益額そのものも限られていた。分析対象となった250万ウォレットのうち、累計利益が1000ドル(約15万0000円)を超えたのは2%にとどまった。1万ドル(約150万0000円)超は0.32%、10万ドル(約1500万0000円)以上の利益を上げたウォレットは840件で、全体の0.033%だった。
Polymarketの平均取引額は89ドル(約1万3350円)だった。利用者の80%は、平均して500ドル(約7万5000円)を超える賭け金を投じていなかった。
継続的な収入源になり得る水準の利益を上げた利用者もごく少数だった。米国の平均月給水準とされる約5000ドル(約75万0000円)を1カ月でも稼いだ利用者は全体の0.98%にとどまった。これを12カ月連続で達成したのは、250万人のうち35人だけだった。
今回の分析は、予測市場が急拡大しても、収益構造はなお少数の上位層に集中していることを示している。取引規模の拡大や機関投資家マネーの流入が続くなか、個人利用者保護を巡る議論も強まりそうだ。