XRPのネットワーク実需に対する評価が改めて浮上している。ビットコインでは今サイクルの底が2026年10月ごろになるとの見方が示され、Anthropicは最新モデル「Claude Opus 4.7」を公開した。このほか、Samsungグループ株の上昇、ゲーム機価格への半導体不足の波及、高多層プリント基板(MLB)の需給逼迫も注目を集めている。
■XRP、価格下落でも実需に着目 NVTは中立圏へ
XRPは2025年の高値から大きく下落したものの、足元の1.39ドルという価格水準については、当時よりも強いネットワーク活動に支えられているとの分析が出ている。
オンチェーン分析企業CryptoQuantのアナリスト、ワイジェイ氏は、XRP市場が投機主導の局面から、より安定したファンダメンタルズ重視の局面へ移りつつあると評価した。
同氏が根拠として挙げたのは、Network Value to Transactions(NVT)指標だ。ネットワーク全体の価値と実際の取引量を比較する指標で、伝統金融でいうPERに近い概念とされる。数値が高ければネットワーク利用の拡大以上に時価総額が先行している可能性があり、逆に低ければ価格に対してネットワーク活動が相対的に強いことを示す。
ワイジェイ氏は、現在のXRP価格は実際のネットワーク活動とおおむね整合的だとみている。XRPは2025年7月に3.6ドルまで上昇したが、当時は実需に比べて価格が先行していたと指摘した。足元では価格が下がる一方でネットワーク参加は強まり、ファンダメンタルズ面の裏付けが増しているという。
NVTの推移にも変化がみられる。2025年にはNVTの急騰局面が繰り返されたが、これは価格が実利用に先行していたシグナルとされる。2025年末から2026年初めにかけてはバリュエーションが落ち着き、急騰傾向も緩和した。現在のNVTは170.2で、2025年の高水準と比べると中立から低位のレンジに入った。
同氏は、この水準が1.39ドル前後の価格が以前より実取引量に支えられていることを示していると説明した。
取引データも同様の傾向を示す。2025年にXRPが主に2〜3ドルで推移していた時期、1日当たりの取引件数は110万〜220万件で、一部では260万件まで増えた。2025年2〜12月に1日280万件を超えたことはなかったという。
■ビットコイン、底は2026年10月か コウェン氏が見通し
ビットコインについては、今サイクルの安値が2026年10月ごろに形成される可能性が高いとの見方が示された。
Into The Cryptoverseの最高経営責任者(CEO)で元NASA研究員のベンジャミン・コウェン氏は、過去2回のサイクルと比べても今回の時間構造はおおむね共通していると述べた。
同氏によると、今回の高値形成時期は前回まで2回のサイクルの高値時期と比べて約1週間の差に収まった。このパターンが維持されるなら、安値も高値から約1年後に到来する可能性が高く、基本シナリオとして2026年10月を想定している。
一方で、より早い時期の底打ちも完全には否定しなかった。ビットコインが早ければ5月に底を付ける可能性はあるものの、その場合は過去の中間選挙年の典型的な値動きを大きく上回る規模の投げ売りが先行する必要があるとみている。
また、2026年の年初来リターンが過去の中間選挙年平均の標準偏差レンジ内にとどまる限り、早期にそのレンジを外れる可能性は低いとの認識も示した。
コウェン氏は、今回の高値形成プロセスは過去と異なるとも分析する。2017年と2021年は個人投資家の熱狂の中でビットコインが天井を付け、その後アルトコインに資金が向かう流れがあった。これに対し今回は、2021年以降に暗号資産への社会的関心が弱まる中でビットコインが高値を形成し、典型的なアルトコイン循環は起きなかったと説明した。
ビットコインは、米国とイランを巡る戦争下でも2月28日以降に12%超上昇した。足元の価格は7万3831ドルで、2025年10月に記録した史上最高値の約12万6000ドルを40%超下回る。コウェン氏は、それでも4年周期そのものは維持されているとの見方を示した。
■Anthropic、最新モデル「Claude Opus 4.7」公開
Anthropicは、Opusシリーズの最新モデル「Claude Opus 4.7」を公開した。
同社によると、Opus 4.7はソフトウェアエンジニアリング能力を高めたモデルで、特に難度の高いコーディング作業で性能向上が目立つという。
高解像度画像への対応によってビジョン機能を改善したほか、インタフェース、スライド、文書作成などの専門業務で完成度と創造性を高め、指示実行能力も強化したとしている。
一方で、Opus 4.7はサイバーセキュリティ特化型モデルではない。サイバーセキュリティ性能は、直近で発表した「Claude Mythos Preview」には及ばず、学習過程ではセキュリティ能力を意図的に抑制する試みも並行して進めたという。
あわせて同社は、禁止事項や危険度の高いサイバーセキュリティ関連の要求を自動検知・遮断する新たな安全機構を導入した。先週公表した「Project Glasswing」で示したアプローチを、実運用環境で初めて適用する事例だと説明している。
Mythos PreviewはAnthropicの最上位モデルで、サイバー防衛の専門家と重要インフラ分野のパートナーに限定提供している。これに対しOpus 4.7は、一般に利用可能なモデルの中で同社最高性能に位置付けられる。
価格はOpus 4.6と同じで、入力トークン100万個当たり5ドル、出力トークン100万個当たり25ドル。
■Samsung Electronicsけん引でSamsungグループ株高
Samsung Electronicsを中心に、Samsungグループ株が上昇している。市場では、Samsung Electronicsの好調な業績に加え、中東の戦争リスクが和らぎ、投資家心理が改善しているとの見方が出ている。
韓国取引所によると、16日のSamsung Electronics終値は21万7500ウォン(約2万3925円)で前日比3.08%高だった。Samsung Electro-Mechanicsは4.07%高、Samsung SDIは1.59%高。いずれもSamsungグループの主要上場企業の中で年初来上昇率が高い銘柄とされる。
Samsung Electronicsは6日、1〜3月期の速報値を公表した。連結ベースの売上高は133兆ウォン(約14兆6300億円)、営業利益は57兆2000億ウォン(約6兆2920億円)で、いずれも四半期ベースで過去最大級の水準となった。
人工知能向け半導体需要の拡大とメモリー市況の改善が業績を押し上げ、好決算を受けてグループ全体のバリュエーション見直しにつながっているとの分析もある。
株式市場の重荷となっていた中東情勢も落ち着きを見せつつある。ドナルド・トランプ米大統領が戦争終結の可能性に言及した後、中東リスクの緩和期待が広がり、海外資金の流入もみられたという。
特に年初来上昇率の高い銘柄に注目が集まっている。韓国取引所によれば、年初来上昇率はSamsung Electro-Mechanicsが136.67%、Samsung E&Aが116.77%、Samsung SDIが81.90%、Samsung Electronicsが69.07%だった。Samsungグループ主要上場企業14社の年初来平均上昇率は40.96%としている。
株価上昇は時価総額の拡大にもつながった。同日時点でSamsungグループ上場18社の時価総額は1646兆3488億ウォン(約181兆9800億円)で、KOSPI全体の32.24%に相当する。Samsung Electronicsがグループ全体に占める比率は約78.4%だった。
グループ株関連ETFもそろって上昇した。年初来上昇率はTIGER Samsungグループが52.06%、ACE Samsungグループセクター加重が48.19%、KODEX Samsungグループが48.01%、KODEX Samsungグループバリューが44.66%、ACE Samsungグループ同一加重が34.01%だった。
■半導体不足でゲーム機・PCに値上げ圧力
AIサーバ需要の急増に伴うメモリー半導体の品薄が、ゲーム市場全体に波及している。コンソールやPCの価格が相次いで上昇し、ソフト価格にも上昇圧力が及ぶ中、かつて「コストパフォーマンスの高い趣味」とされたゲームが、より負担の大きい娯楽になりつつあるとの見方が出ている。次世代PC・コンソール向け新作を準備する韓国ゲーム企業も、需要とコストの両面で影響を受ける可能性がある。
背景にあるのは、AIインフラ投資の急増による需給ミスマッチだ。半導体メーカーが高帯域幅メモリー(HBM)やサーバ向けDRAMの生産に経営資源を集中させた結果、PCやコンソール向けの民生用メモリー供給が減少した。1〜3月期のサーバ向けDRAMとHBMの売上比率は、メモリー全体の60%に達したという。
価格上昇も急だ。Counterpoint Researchによると、1〜3月期のDRAM契約価格は前四半期比で50%超、NANDフラッシュは90%超上昇した。TrendForceは4〜6月期についても、DRAMが90〜95%、NANDフラッシュが55〜60%、それぞれ追加で上昇すると予測した。
Gartnerは、年末までにDRAMやSSD価格の急騰とあわせ、PC価格全体が17%上昇するとみている。
こうした影響は完成品価格に直接及んでいる。Sony Interactive Entertainment(SIE)は2日からPS5を値上げした。標準モデルとデジタルエディションはそれぞれ100ドル引き上げ、649.99ドルと599.99ドルに設定した。PS5 Proは150ドル高い899.99ドルとなった。追加値上げは約8カ月ぶりという。
韓国で同様に反映されれば、標準モデルは100万ウォン(約11万円)前後、Proモデルは130万ウォン(約14万3000円)を上回る可能性がある。
Microsoft(MS)もXbox Series XとSの価格を段階的に引き上げてきており、追加値上げ観測が出ている。Nintendo Switch 2は正式な値上げ発表こそないが、発売直後から品薄で、実勢価格は70万ウォン(約7万7000円)を上回る状況という。半導体価格の上昇が続けば、Switch 2にも値上げ圧力が強まるとの見方がある。
■AI需要でMLB需給逼迫、防衛・宇宙航空にも波及
AI需要の急増で高多層プリント基板(MLB、Multi-Layer Board)の供給不足が続く中、防衛・宇宙航空分野でも新たな市場拡大が見込まれている。MLBは複数の回路層を積層した基板で、一般電子機器向けと異なり、過酷な環境下でも長期間故障なく動作する高信頼性が求められる。大量データを高速処理するAIアクセラレーターやネットワーク機器の中核部品として使われる。
業界では、MLB需要の裾野がAI向けにとどまらず広がっているとの見方がある。軍用機器向け基板は極端な温度変化や振動、衝撃の中で数十年にわたる稼働が必要で、衛星向け基板も宇宙放射線や厳しい温度変化にさらされながら、修理なしで10年以上の耐久性が求められる。こうした高信頼性市場が、MLBの新たな成長領域として浮上している。
宇宙航空分野の市場は今年から本格拡大に入る見通しだ。ハンファ投資証券によると、宇宙航空庁基準で国内の超小型・小型衛星打ち上げは、昨年の14機から2028年に100機、2030年には185機へ増えると予測した。低軌道(LEO)の小型衛星は寿命が3〜5年と短く、コンステレーション運用に向けて反復的な製造需要が構造的に発生するという。
衛星製造のリードタイムが1〜2年である点を踏まえると、量産受注は2026〜2027年に始まる可能性が高いとしている。
国防需要も拡大基調にある。韓国軍は2030年代初めまでに最大約130機の低軌道偵察衛星配備を進めており、「425事業」の後続案件や超小型衛星体系事業も順次進む見通しだ。チョングンIIなど兵器体系の輸出実績を背景に、今後は衛星やISR(情報・監視・偵察)体系へと防衛輸出の領域が広がる可能性も高いとしている。
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