米議会で審議が進むデジタル資産規制法案「Clarity法」を巡り、焦点となっているステーブルコインの報酬規定案の公表が再び先送りされた。銀行業界と暗号資産業界の対立が続いており、法案審議全体の日程にも影響する可能性がある。
The Blockが16日(現地時間)に報じたところによると、現時点の草案は、ステーブルコインの休眠残高に対する利払いを禁じる一方、取引などの活動に応じた収益提供は認める方向性を維持している。
トム・ティリス上院議員は当初、関連する条文案を今週中に公表する考えだったが、実際の公表は来週以降にずれ込む公算が大きい。同議員は、上院銀行委員会の修正審査日程が固まり次第、公表する考えを示した。
法案協議に詳しい関係者も、条文案の公表は今週中には行われないとの見方を示した。立法チームは銀行業界と暗号資産企業の双方と細部を詰めているが、草案の基本構造は当面維持される見通しだ。
このため、休眠残高への利払いは禁止し、取引に伴う収益提供は認めるという枠組みが維持される可能性が高い。焦点は、ステーブルコインに関連する報酬をどこまで認めるかにある。
ティリス議員はアンジェラ・オルズブルックス議員とともに、報酬規定を巡る論点整理に向けて条文の調整を進めてきたが、なお最終合意には至っていない。
背景には既存法の空白がある。昨年成立した「Genius法」は、ステーブルコイン発行体による直接の利払いを禁じた一方、取引所など第三者プラットフォームを通じた収益提供については明確に制限していなかった。
この規制の空白を巡って、銀行業界と暗号資産業界の利害が鋭く対立している。米銀行業界は、ステーブルコインへの利払いが認められれば預金が伝統的な金融機関から流出し、金融システム全体の混乱につながりかねないと主張する。
一方、Coinbaseを含む複数の暗号資産企業は、休眠残高への報酬を禁じればイノベーションを阻害すると反発している。こうした企業は、このモデルが暗号資産企業だけでなく銀行にとっても新たな事業機会になり得ると訴えている。
ホワイトハウスも調整に乗り出しているが、双方の隔たりはなお大きい。報酬規定案の公表が遅れることで、「Clarity法」全体の審議日程も後ろ倒しになる可能性が出ている。
今後の焦点は、上院銀行委員会の修正審査日程がいつ固まるかに加え、最終条文で休眠残高への利払い禁止が維持されるかどうかだ。