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ブレント原油は戦争の影響で付けた安値圏から持ち直しているものの、先物市場では出来高の減少と建玉の急減が重なり、戻りの勢いは鈍い。市場では、強いトレンド転換を織り込む動きというより、価格急変に備えたヘッジ需要が優勢との見方が出ている。

16日付のBeInCryptoによると、ブレント原油は1バレル94.92ドル(約1万4238円)前後で推移した。戦争の影響で付けた安値からは約5%反発したが、先物市場の参加は細っており、上値の重さが意識されているという。

市場の焦点は、価格が反発したこと自体よりも、戻り局面に入っている資金の性質にある。ブレント原油は3月中旬の高値以降、下落基調が続き、チャート上では弱気継続を示す「逆カップ・アンド・ハンドル」を形成した。

その後、90.29ドル(約1万3544円)前後まで下げたあとに反発したが、この戻りは同パターンにおける「ハンドル」部分に当たるとの見方が出ている。

戻り局面で市場参加が細っている点も重しとなっている。直近のローソク足ベースの出来高は約6880枚で、カップ形成局面と比べて大きく低下した。

建玉の減少はさらに鮮明だ。3月の上昇局面では70万件を超えていた建玉は、足元で49万1810件まで減少した。減少率は約30%に達し、資金や市場参加者が原油先物市場から離れている可能性を示している。

こうした傾向はオプション市場でも確認できる。ブレント原油先物に連動する米国のBrent Oil Fund(BNO)の15日分のオプションデータでは、プット・コール出来高比率が0.13、建玉比率が0.25だった。

数値だけを見ればコール偏重だが、市場ではこれを単純な強気の投機とは受け止めていない。トレーダーがイラン封鎖拡大の可能性に備え、上方向のコールを急変動へのヘッジとして買っているとの解釈が優勢だ。

ボラティリティ指標も同様の見方を裏付ける。インプライド・ボラティリティは72.80%、IVパーセンタイルは88%と高水準で、市場が原油価格の大きな変動リスクを織り込んでいることを示している。

一方、IVランクは50.18%にとどまった。高いボラティリティ自体は、今年を通じて戦争の影響を背景に継続してきたことを示すとしている。

価格帯別に見ると、短期的な上値抵抗と下値支持は比較的明確だ。最初の抵抗線はフィボナッチ0.236に当たる97.05ドル(約1万4558円)で、これを上抜ければ103.90ドル(約1万5585円)を試す展開も視野に入る。

ただ、103.90ドルを回復しただけでは弱気構造は解消しない。弱気パターンを無効化するには、日足終値ベースで111.80ドル(約1万6770円)を上回る必要がある。

下値シナリオはより明確だ。92.81ドル(約1万3922円)を下回るとハンドル部分が崩れ、89.39ドル(約1万3409円)を割り込めばネックラインの下抜けにつながる可能性がある。

この場合、逆カップ・アンド・ハンドルの測定下落率は約28%となり、下値目標は65ドル台とされる。チャート上の支持線も65.04ドル(約9756円)付近に位置しているという。

当面の分岐点は92.81ドルと111.80ドルだ。92.81ドルは反発基調を維持できるか、それとも弱気パターン完成に向かうかを見極める水準で、111.80ドルは終値で回復して初めて足元の弱気構造が崩れる節目となる。

BeInCryptoは、出来高と建玉の推移を見る限り、市場は明確な上昇転換よりも、ショックに備えた防御的なポジションを優先していると指摘した。

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