Charles Schwabは数週間以内に、米国の個人顧客向けにビットコインとイーサリアムの現物取引を開始する。専用の暗号資産口座を通じて提供し、保管は銀行子会社、注文執行はPaxosとの提携で行う。
Cointelegraphが4月16日(現地時間)に報じた。今回のサービスは、Charles Schwabにとって初の暗号資産現物の直接取引となる。顧客はWeb、モバイル、「Thinkorswim」から、株式など他の資産とあわせて暗号資産の確認と売買ができるようになる。
取扱開始時点で対応するのはビットコインとイーサリアムのみ。手数料は1件当たり75bp(0.75%)に設定した。
サービスは専用の暗号資産口座を通じて提供する。資産はCharles Schwabの銀行子会社の保管モデルの下で管理し、注文執行は連邦規制下の信託会社Paxosとの提携を通じて行う。
導入は数週間かけて段階的に進める。当初の対象は要件を満たす米国の個人顧客で、ニューヨーク州とルイジアナ州の居住者は開始時点の対象外とする。
手数料は既存の暗号資産取引所と比べるとやや高めだ。各社サイトによると、Krakenは取引量に応じておおむね0.25〜0.40%から、Coinbaseは小口取引で約0.40〜0.60%程度とされる。Charles Schwabの0.75%は、主要取引所と比べて高い水準、あるいは上限に近い水準といえる。
同社は今回の取り組みについて、既存のデジタル資産関連商品の拡充策の一環と位置付けている。すでにデジタル資産関連の上場投資商品(ETP)、先物、ファンドを提供しており、社内推計では顧客が暗号資産関連ETPの約20%を保有しているという。現物取引を加えることで、これまでの間接投資中心のラインアップを広げる狙いがある。
同社の事業規模も大きい。直近の開示によると、2026年2月時点の総顧客資産は12兆2200億ドルだった。
Charles Schwabは、仲介、銀行、資産運用を手がける米大手金融機関だ。同社による現物取引参入は、伝統金融における暗号資産サービス拡大の流れを改めて示す動きといえる。
足元では、大手金融機関が売買サービスや上場投資信託(ETF)、構造化商品を通じて暗号資産へのエクスポージャーを広げている。Morgan Stanleyは4月8日、ビットコイン現物ETF「MSBT」を投入し、ニューヨーク証券取引所Arcaへの上場初日に3060万ドルの資金流入を記録した。
ファンドのサイトによると、4月15日時点の純資産総額は8760万ドル。Goldman Sachsも4月、米証券取引委員会(SEC)に対し、オプション戦略を活用したビットコイン連動ETFを申請した。同商品は、ビットコインに間接的に連動しつつ、価格変動の抑制を目指す設計としている。
一方、暗号資産企業も伝統市場への展開を進めている。Coinbaseは昨年12月に株式とETFの取引を導入し、Krakenは2月、米株式・指数・商品へのレバレッジエクスポージャーを提供するトークン化株式の無期限先物を投入した。
こうした中でのCharles Schwabの参入は、伝統金融機関と暗号資産企業の双方が相互に市場領域を広げていることを示している。同社はビットコインとイーサリアムを皮切りに、対応銘柄や入出金機能を段階的に拡大する方針で、今後は取扱資産と提供地域の広がりが焦点となる。