銀価格が足元で大きく戻している。直近3週間の上昇率は33%に達したが、相場の本格反転を見極めるうえでは、下落チャネル上限にあたる84.29ドルを終値ベースで突破できるかが重要な分岐点となる。
BeInCryptoが15日(現地時間)に伝えたところによると、銀は直近1週間で7.2%上昇し、月初来の下落分の大半を埋めた。足元では1オンス=79.50ドル前後で推移している。
今回の反発の主因としてまず挙げられるのがドル安だ。銀は1月29日以降、日足ベースで下落チャネル内の推移が続いてきた。3月23日に1オンス=60.86ドルまで下落した局面では、米ドル指数(DXY)は99.40近辺で高値を付けていた。その後、4月8日からDXYが下落基調に転じたのに合わせ、銀価格は持ち直した。DXYは現在99.20前後と、1カ月で2%超下落している。
加えて、米国とイランの停戦を巡る動きの影響で原油価格が100ドルまで下落し、インフレ期待が後退したこともドル需要の鈍化につながった。これが貴金属への資金シフトを後押しした格好だ。ただ、価格が反発しただけでトレンド転換と判断するのは早い。銀はなお1月末以降の下落チャネル内にあり、上限のトレンドラインを明確に上抜ける必要がある。
オプション市場でもセンチメントの改善がうかがえる。銀の現物ETF「iShares Silver Trust(SLV)」のプット・コール未決済建玉比率は、3月20日の0.63から4月14日には0.59へ低下した。出来高ベースの比率も同期間に0.86から0.45へ下がっており、弱気ポジションの縮小を示唆している。
一方で、変動性はなお高い。インプライド・ボラティリティは58.31%、IVパーセンタイルは73%で、足元のボラティリティが過去1年と比べても高水準にあることを示した。プット・コール比率の低下と高いインプライド・ボラティリティが同時に見られる局面では、相場が一方向に振れやすいとの見方もある。
上値の焦点は84.29ドルだ。この水準は下落チャネル上限のトレンドラインと主要なテクニカル上の抵抗線が重なる水準で、現在値を6.46%上回る。銀が日足終値ベースでこのラインを超えれば、1月29日以来初めて下落チャネルを上放れることになる。その場合の次の目標価格としては、91.46ドル、98.63ドル、108.67ドルが意識される。1月29日に付けた過去最高値の121.84ドルは、さらに上方に位置する。
逆に84ドル台の突破に失敗すれば、相場はチャネル内で再びもち合いを続ける可能性が高い。とりわけ0.236フィボナッチ水準の75.42ドルを下回ると、ドル高再開や停戦期待の後退を示すシグナルと受け止められる余地がある。この場合、価格は61.08ドル近辺まで押し戻される可能性がある。
足元の上昇は、ドル安、産業需要への期待、オプション市場のセンチメント改善が重なった結果とみられる。ただ、チャート面で確認が取れなければ、この33%の反発も本格的なトレンド転換ではなく、一時的な戻りにとどまる可能性がある。