米上院で審議中の暗号資産市場構造法案「CLARITY Act」の採決が、再び先送りされる見通しだ。4月16日付のブロックチェーンメディアCoinPostによると、上院銀行委員会は修正案の審議と採決を4月末、もしくは5月第2週に延期する可能性が高い。
背景には、Fed次期議長候補とされるケビン・ウォーシュ氏の指名公聴会がある。上院銀行委員会は同氏の公聴会を21日に開く方針で、当面は関連日程を優先する。ティム・スコット委員長が公表した翌週の予定にも、CLARITY Actの採決は盛り込まれていない。
このため、市場では法案審議の先行きを懸念する見方も出ている。ただ、Paradigmの副社長ジャスティン・スローター氏は、実質的な期限は5月末のメモリアルデー以降だとし、今後6〜7週間で進展する可能性があるとの見方を示した。日程がずれ込んでいるにすぎず、直ちに廃案に向かうとみるのは時期尚早だという。
法案を巡っては、ステーブルコインの利払いが終盤の主要論点として浮上している。トム・ティリス上院議員は、銀行業界と暗号資産業界が長年対立してきたこの問題について、折衷案の草案を週内に公表する意向を明らかにした。
銀行側は預金流出を警戒する一方、暗号資産業界は利払いが普及の呼び水になるとみている。調整案の内容次第では、今後の採決日程にも影響する可能性がある。
法案の詳細条項については、倫理規定とトークン化関連を軸に最終調整が進んでいる。DeFiや利払いの枠組みを巡る論点はおおむね整理されつつあると伝えられる一方、ジャスティン・サン氏とトランプ一族が支援するWorld Liberty Financial(WLFI)プロジェクトの間で法的紛争が表面化したことで、一部議員がより厳格な倫理規定を求める可能性も指摘されている。
加えて、ウォーシュ氏の指名手続き自体も新たな不確定要素となっている。今週公開された資産報告によると、同氏は1億ドル超の資産を保有していることが確認された。
投資先にはPolymarket、SpaceX、Solana(SOL)、Ethereumのレイヤー2ネットワークなど、暗号資産関連の企業やプロジェクトが多数含まれていた。
上院公聴会では、こうした暗号資産関連の保有持ち分が利益相反に当たるかどうかや、保有資産の扱いが主な検証対象になる見通しだ。ウォーシュ氏は「史上最も暗号資産に友好的な議長候補」との見方がある一方、倫理性や独立性を巡る精査は一段と強まる可能性がある。
市場参加者は、ウォーシュ氏がFed議長に就任した場合、Fedが暗号資産により友好的な姿勢を示すかどうかに注目している。現時点では人事手続きが優先されており、CLARITY Actの実際の処理時期は、上院銀行委員会の次回日程と修正案の公表時期に左右される見通しだ。
ステーブルコインの利払い規定と倫理条項の調整がまとまれば、法案審議は再び採決局面に入るとみられる。