Rippleのブラッド・ガーリングハウス最高経営責任者(CEO)は、米議会で審議が進むデジタル資産市場構造明確化法案「CLARITY法案」について、暗号資産業界が規制の明確化に最も近づいているとの認識を示した。一方で、ステーブルコインの利回り規制を巡る対立が審議の足かせとなっており、4月中の成立見通しには慎重な姿勢を示した。
ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicが現地時間15日に伝えたところによると、ガーリングハウス氏は、CLARITY法案が成立すれば、米国で初めて包括的なデジタル資産規制の枠組みが整う可能性があると評価した。
同氏はRippleで11年を迎えたことに触れつつ、これまでの規制対応を振り返り、ワシントンの空気が変わりつつあると説明した。ビル・ハガティ氏やパトリック・マクヘンリー氏ら主要議員との会合を踏まえ、「業界は明確なルール整備にこれまでで最も近づいている」との見方を示した。
CLARITY法案の焦点は、デジタル資産をどの基準で分類し、どの当局が監督するかを明確にする点にある。ガーリングハウス氏は、法制化に向けた機運が高まっているとしつつも、この好機が長く続くとは限らないとして、業界に対応を急ぐよう促した。
また、米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)が共同ガイダンスを公表したことにも言及した。両当局が連邦法上のデジタル資産分類に向けた公式な枠組みを示したのは初めてで、その過程でXRPがデジタル商品に分類されたという。こうした動きについて同氏は、暗号資産業界に対する長年の規制面での対立姿勢が転換点を迎える兆しになり得るとみている。
ただ、当局間の協調だけでは不十分だとの考えも示した。議会による立法がなければ、将来SECトップの交代に伴って再び強硬な執行姿勢が強まる可能性があると指摘。デジタル資産の分類と監督原則を法律として明文化し、政権交代や人事の変動に左右されない制度にすべきだと訴えた。
法案のスケジュールについては、従来より慎重な見方に転じた。ガーリングハウス氏は2月時点で、4月までの成立確率を80%とみていたが、足元ではその見通しに対する自信が低下したと述べた。争点条項を巡る意見の隔たりが埋まらず、審議が遅れているためだという。
最大の争点は、ステーブルコインで利回りを提供する仕組みに対する規制だ。Coinbaseを含む一部の暗号資産企業は、発行体による利用者への利回り提供を禁じる方向の規制に反発してきた。こうした制限は伝統的な銀行に有利に働くと主張しており、対立の長期化を受けて、米上院銀行委員会は当初1月に予定していた審議日程を延期した。
足元では、審議が今月末にも再開される可能性が取り沙汰されているが、日程はなお確定していない。一方、業界内では、暗号資産企業と銀行側の経営陣が利回り規制を巡って折衷点に近づいているとの見方も出ている。ガーリングハウス氏も、交渉が打開に向かう可能性に触れ、議員と業界双方の疲労感が、かえって妥協を促す余地があるとの見通しを示した。
CLARITY法案は、業界の悲願にとどまらず、米国のデジタル資産規制の方向性を左右する試金石と位置付けられている。今後は、審議日程の確定とステーブルコイン利回り規制を巡る妥協案の形成が、法案成立のカギを握りそうだ。