写真=16日、韓国取引所ソウル社屋で開かれた「重複上場制度改善公開セミナー」で発表するナ・ヒョンスン高麗大学教授(オ・サンヨプ記者)

高麗大学のナ・ヒョンスン教授は16日、韓国資本市場で重複上場が頻発していることが「コリア・ディスカウント」の一因になっていると指摘し、一般株主の権限を強化すべきだと提言した。親会社の一般株主による同意要件の導入や、支配株主の議決権制限などを具体策として示した。

ナ氏は同日、ソウル・汝矣島の韓国取引所ソウル社屋で開かれた「重複上場制度改善公開セミナー」で発表した。それによると、韓国の重複上場比率は時価総額ベースで約18%に達する。一方、日本や台湾などアジア各国に加え、米国でも0.35%程度にとどまるなど、主要国の多くは5%未満だとした。

また、直近12年間の新規上場企業のうち、親会社がすでに上場している状態で子会社が上場したケースは約20%に当たる157社だったと説明した。

韓国で重複上場が目立つ背景としては、支配株主のインセンティブを挙げた。海外では、上場している親会社が増資で資金を調達し、未上場の子会社に資金を供給する形が一般的だが、韓国では増資に伴う持ち分の希薄化を避けるため、未上場子会社を直接IPOする方式が選ばれやすいという。

ナ氏は、子会社IPOではなく増資を選んだ場合、支配株主の持ち分が平均5〜10%低下するとの分析結果もあると紹介した。

そのうえで、この構造は深刻な利益相反を生むと指摘した。支配株主は追加出資なしで支配権を維持したまま事業を拡大できる一方、親会社の一般株主は子会社に対する直接の所有権や議決権を持てず、間接持ち分も希薄化するためだ。

ナ氏は、こうした仕組みによって親会社が保有する子会社持ち分の価値が適正に評価されにくくなり、利益の二重計上の問題なども重なって企業価値が押し下げられると説明した。「コリア・ディスカウントに直結する根本的な問題だ」とも述べた。

実際、子会社の上場審査請求時点では親会社の株価が小幅に上昇するものの、上場日以降は大きく下落する傾向が確認されたという。上場後6カ月までの親会社株価は平均11%下落し、中央値では16%超下落した。

ナ氏は、金融当局が示す「原則禁止、例外容認」の方針には賛成の立場を示したうえで、一般株主保護に向けた具体策も提示した。最も実効性の高い案として挙げたのが、一般株主の同意を要件とする仕組みの導入だ。親会社の一般株主による過半の賛成を求めるMoM(Majority of Minority)制度の導入や、株主総会で支配株主の議決権を3%などに制限し、一般株主の意思を十分に反映させる必要があるとした。

このほか、例外的に子会社上場を認める場合には、親会社の一般株主に新株を優先配分する案も示した。持ち分の一部取得を通じた迂回的な重複上場を防ぐため、「義務公開買付制度」を全面導入することも提案した。

すでに重複上場となっている企業については、日本の事例を参考に、株主保護策や今後の計画を透明に開示させるソフトローによって、段階的な解消を促すべきだと述べた。

もっとも、重複上場を全面的に禁止すれば、支配株主が支配権維持を優先して新規事業への投資を手控える可能性もあると指摘した。その上で、「投資を維持しながら一般株主の権益を守る、バランスの取れた政策検討が必要だ」と語った。

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