XRPは1.35ドル(約203円)前後で上値の重い展開が続いている。ただ、オンチェーン指標をみると、相場の反発を示唆する材料が徐々に積み上がっている。
ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicが15日(現地時間)に伝えたところによると、XRPのネットワーク価値対取引比率(NVT)は足元で約170まで低下した。2025年半ばに1200を超えていた局面と比べると大幅な低下となる。NVTは、ネットワーク価値が実際の利用にどの程度支えられているかを測る指標で、一般に数値が高いほど投機色が強く、低いほど価格に対してネットワーク利用が伴っていると受け止められる。
XRPコミュニティのアナリスト、Zyphは、足元のXRPは過去の高値圏よりもオンチェーン利用に裏打ちされた状態にあると指摘した。2025年にXRPが3ドル(約450円)を超えた局面では、継続的なネットワーク活動というより、投機需要が価格を押し上げた面が大きかったとしている。
資金の流れにも変化がみられる。現物ETFには12億3000万ドル(約1845億円)超の資金が集まっており、市場では機関投資家マネーの流入を示す動きと受け止められている。Zyphはあわせて、取引所で保有されるXRP残高が減少傾向にある点も挙げ、売り圧力の後退につながる可能性があるとみる。NVTの変動幅も縮小しており、相場は弱含みというより蓄積局面に入りつつあるとの見方も出ている。
一方、投資家心理は依然として冷え込んでいる。XRPは2025年の高値から約60%下落した水準にあり、弱気ムードも強い。初期のビットコイン投資家として知られるLucky Lucianoは、こうした悲観の広がり自体が底打ちのサインになり得るとの見方を示した。市場では、センチメントが一方向に偏りすぎた局面では反転が起きやすいとされる。
オンチェーン分析企業Santimentのデータも、同様の傾向を示している。Santimentによると、XRPに対する弱気心理は2年ぶりの高水準に達した。こうした極端な悲観は、過去にも相場反発に先行して表れたことがある。個人投資家の離脱や信頼低下が続く一方、逆張りの観点からは短期的な反発余地を示す局面とみる向きもある。
保有者の損益状況を示すMVRVも、底値圏を示唆する材料の一つとされる。XRPのMVRVはFTX問題当時の水準まで低下し、保有者は平均で41%の含み損を抱えているとみられている。損失拡大と弱い投資家心理が相場の重しになってきたが、過去にはMVRVがこの水準まで低下した局面が買い場とみなされた例もある。実際、2022年12月には類似した環境の後、価格が60%超上昇したという。
足元の焦点は、こうした指標の改善が実際の買い需要の回復につながるかどうかだ。価格だけをみれば、XRPはなお方向感を欠く。ただ、NVTの低下、ETFへの資金流入、取引所残高の減少、MVRVの低下、極端な弱気心理といった要素が同時に重なっており、相場の内部環境にはこれまでとは異なる変化が出ている。
値動きは停滞しているものの、オンチェーン上では反発に向けた兆候が蓄積しつつある。XRPは過去のように投機需要だけで動く局面ではなく、実需、資金流入、売り圧力の緩和をあわせて見極める段階に入ったといえそうだ。
ZyphはXへの投稿で、「いま市場はXRPを見過ごしている。チャートは退屈に見えるが、オンチェーンデータは別のことを示している」との見方を示した。