米暗号資産取引所Geminiの創業者であるカメロン・ウィンクルボス氏とタイラー・ウィンクルボス氏が、Geminiのホットウォレットから約572BTCを関連ウォレットへ移したことが分かった。オンチェーンデータから資金の移動は確認できるものの、その目的は明らかになっておらず、市場では買い増しや内部の資産再配置など複数の見方が出ている。
ブロックチェーンメディアのCoinDeskが15日(現地時間)、ブロックチェーン分析企業Arkhamのデータを引用して報じたところによると、直近24時間で約572BTC(約4277万ドル)がGeminiのホットウォレットからWinklevoss CapitalおよびGeminiのカストディ用ウォレットへ送金された。
送金は2回に分けて実施された。まず372BTCが移され、約11時間後に200BTCが追加で送金された。いずれもGeminiの取引所アドレスから出金され、関連法人のウォレットに着金したという。Arkhamの分析では、Winklevoss Capitalのアドレスでまとまった資金流入が確認されたのは約1カ月ぶりとしている。
今回の移動により、追跡可能な128のアドレスベースでみたWinklevoss Capitalのビットコイン保有量は計9328BTCに増加した。評価額は約6億8900万ドル。先月、Geminiに約1億2850万ドル相当のビットコインを預け入れた後に減っていた保有残高が、一部持ち直した格好だ。
イーサリアムの保有も大きい。追跡可能なアドレスベースで約7万588ETH(約1億6370万ドル)を保有しているとされ、ビットコインと合わせた追跡可能資産の総額は約8億5300万ドルに上る。
もっとも、今回の資金移動の目的はなお不明だ。オンチェーンデータで分かるのは資産の移動経路までで、取引の意図までは特定できない。新規購入の可能性がある一方で、取引所とカストディ間の内部的な資産再配置、あるいは過去に預け入れた分の一部返還との見方も出ている。
こうした動きが注目を集める背景には、Geminiを取り巻く財務面の懸念もある。同社は最近、企業価値の大幅な低下に加え、人員の約30%を削減するなどリストラを進めていると伝えられている。海外の一部市場では事業縮小も実施したという。
さらに、ウィンクルボス兄弟がGeminiに提供したビットコイン建て融資も負担要因として取り沙汰されている。未返済残高は約3億3000万ドルとされ、これを株式へ転換する案が社内で議論されているとも報じられている。
市場では、今回のビットコイン移動が単なる資産管理にとどまらず、Geminiおよびウィンクルボス兄弟の資産運用戦略の変化を映している可能性にも関心が集まっている。ただ、現時点で確認できるのは資金の移動先までで、実際の狙いを断定するには追加情報を待つ必要がある。