スイスの暗号資産エコシステムは、企業集積に加えて大型資金とインフラ企業の呼び込みでも存在感を強めている。写真=Shutterstock

スイスが2025年の欧州暗号資産VC投資で圧倒的な存在感を示した。ブロックチェーンメディアのCryptopolitanが15日(現地時間)に報じたところによると、同国の暗号資産企業の調達額は7億2800万ドルに達し、欧州の関連VC投資全体の47%を占めた。

資金流入の中心にあるのは、ツーク州を拠点とする「Crypto Valley」だ。同地域では現在、1760社超のブロックチェーン企業が事業を展開している。

地域別では、約40%がツーク、15%がチューリヒに集中する。両地域を合わせると約1000社となり、スイスのブロックチェーンエコシステムの中核を担っている。

これらのデータは、2025年通年を対象に集計した「CV VC Top50 Report」に基づくものだ。同報告書は、スイスのブロックチェーンエコシステムが欧州内で主導的な地位を一段と固めたと評価した。

2020年以降、Crypto Valleyに拠点を置く企業数は134%増加した。直近1年で新たに加わった企業のほぼ半数がツークに拠点を置いたという。

企業価値の拡大も続く。スイスにはブロックチェーン分野のユニコーン企業が10社あり、内訳は非上場のブロックチェーン企業2社と、上場トークンを持つブロックチェーンプラットフォーム8社だ。

上位50社の合計企業価値は4670億ドルとなり、過去最高を更新した。

一方で、投資の中身には変化がみられた。2025年は投資ラウンド数が減少した半面、1件当たりの調達規模は拡大したという。

資金がより少数の企業に集中し、市場が高い成長余地を持つプロジェクトを選別する傾向が鮮明になったとしている。

単独案件で最大だったのはTONの4億ドル。これにSygnum Bankの5800万ドル、M^0の4000万ドルが続いた。

大型ラウンドの比重が高まったことで、投資家の選別姿勢が一段と強まっていることも浮き彫りになった。

資金流入先の業種構成にも変化が出た。資金調達企業のうち、インフラ開発企業が19%で最も多く、金融サービス企業が18%、コンサルティング・技術サービス企業が17%だった。

報告書は、こうした動きについて、ブロックチェーン技術が暗号資産市場にとどまらず、デジタル経済全体を支える基盤技術として定着しつつあることを示していると分析した。

ブロックチェーンと人工知能(AI)の融合や、学術研究の広がりも、スイスの競争力を支える要因として挙げた。当局もこの流れを後押ししており、ツークは関連イニシアチブに5000万ドル超を投じている。

もっとも、欧州全体の世界VC投資に占める比率は低下した。欧州の世界ベンチャー投資シェアは2024年の16%から、2025年には13%へ縮小した。

同期間の欧州の投資額は、約6600件の取引で670億ドルだった。ただ、取引件数が減るなかで、資金が少数の大型案件に偏る傾向が強まったとしている。

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