Elice Groupは4月15日、ソウル市江南区の本社で記者懇談会を開き、AIインフラから教育までを一貫して手掛けるAIフルスタック戦略を発表した。
戦略の中核に据えるのは、独自技術で開発した「移動式モジュラーデータセンター(PMDC)」だ。同社によると、従来は2年以上を要していたデータセンターの構築期間を約3カ月に短縮できる。ラック当たり230kWの電力が必要な次世代GPU「Vera Rubin NVL72」に対応するPMDCの開発も完了したという。
ネットワーク分野では、Arista Networksとの協業を通じて、InfiniBand中心の高コスト構成からEthernetベースの大規模クラスタリング技術へ移行した。コスト効率と拡張性の両立を図る。
クラウド事業では、韓国のクラウドサービスプロバイダー(CSP)の中で初めてGPUスポット料金プランを導入した。遊休GPU資源を活用し、オンデマンド比で最大50%低い水準で提供する仕組みで、B200、H100、A100など主要GPUの全ラインアップに対応する。
同社によると、長期契約、オンデマンド、スポットの3つの課金モデルをすべて備える韓国唯一のCSPだという。
AIインフラのエコシステム構築に向けた連携も広げる。AhnLabとは次世代データセンターネットワークのセキュリティ高度化、Standard Energyとは電力安定性とエネルギー効率の向上、Lecingersとは高性能データセンター向け光通信ソリューションの分野で協力を進める。
韓国科学技術情報研究院(KISTI)とは、国家データ交換ノード(NDeX)とAIネットワークで連携する。MakinaRocksとはElice Cloud Infra(ECI)を基盤に国防・産業分野のAI転換を進め、LG Uplusとは大規模ネットワークとデータセンターの運用能力強化で協業する。
ソリューションと教育事業も拡充する。AI文書分析ソリューション「Helpy Vision」では、非構造データを構造化する技術を提供するほか、生成AIソリューション「AI Helpy Chat」との統合により、文書理解とレポート生成の精度向上を図る。
エンタープライズ向けのAX教育についても、生成AIの活用からエージェントのワークフロー構築まで対象領域を広げる。
キム・ジェウォンCEOは「AIインフラの競争力はGPUの数ではなく、それをどれだけ効率的に活用できるかで決まる」と述べた。その上で、「独自技術で構築した次世代AIインフラを通じて国内AIエコシステムの自立度を高め、企業がコスト面の制約を抑えながらAI革新を進められる基盤を整えたい」と語った。