予測市場では商品性よりもユーザー規模と取引インフラが競争力を左右する可能性がある。画像=Reve AI

Cantor Fitzgeraldは、予測市場の拡大を背景に、上場企業の中ではRobinhoodとCoinbaseが有力な受益候補になるとの見方を示した。個人投資家基盤と既存の取引インフラを持つ点が強みで、今後の成長余地は規制明確化の進展に左右されるとしている。

CoinDeskは4月14日(現地時間)に報じた。レポートでは、非上場のKalshiとPolymarketが足元の市場をけん引する一方、上場企業ではRobinhoodとCoinbaseがアプリ上にイベント連動型の商品を組み込み、事業機会の取り込みを進めていると評価した。

予測市場は、選挙や経済指標、スポーツ、マクロイベントなど現実の出来事の結果に連動する契約を売買する市場を指す。価格には、参加者が見込む発生確率が織り込まれる。Cantor Fitzgeraldのアナリスト、ラムジー・エルアサル氏は、予測市場が急速に存在感を高めており、契約の取引量も力強い成長基調が続くとみている。

レポートが注目したのは、RobinhoodとCoinbaseの事業モデルだ。両社は利用者の反対側に立ってリスクを直接引き受けるのではなく、取引活動から手数料収入を得る構造を採る。株式や暗号資産の取引サービスで培った既存事業と近いモデルだと位置付けた。

プラットフォーム側は利用者の損失から利益を得るのではなく、取引手数料を売上として計上する。新たな情報が市場に入るたびに価格がリアルタイムで調整される点も特徴だ。

先行しているのはRobinhoodとみられている。Robinhoodは2024年の米大統領選サイクル後に予測市場のハブを投入し、立ち上げ直後から売上面で最も成長の速い事業の一つになったという。サービス開始以降、利用者はスポーツ、政治、マクロイベントに連動する契約を数十億件規模で取引したとしている。

Coinbaseも同じ方向に動いている。Coinbaseの予測市場サービスはKalshiのインフラを基盤に幅広いユーザー層へ提供されており、暗号資産、経済、グローバルイベントなど複数のカテゴリーを扱う。ただ、展開はRobinhoodに比べるとまだ初期段階にあるとした。

Cantor Fitzgeraldは、予測市場の競争力を左右する最大の要素として「規模」を挙げた。大規模な個人投資家基盤と既存の取引インフラを持つプラットフォームほど、流動性と参加者を素早く引き上げやすく、先行者メリットを得やすいという見立てだ。

すでに強い顧客接点と配信力を持つ事業者が新たな市場を自社サービスに組み込めば、普及のスピードは大きく高まる可能性があるとしている。

また、予測市場を単なる賭博の延長とみなす見方には異論を示した。Cantor Fitzgeraldは「予測市場は偽装された賭博プラットフォームだという誤解が広がっている」としながらも、実際には参加者が価格評価の差をもとに売買する市場であり、株式市場と同様に価格発見機能を備えていると説明した。

長期的には、個人投資家向けサービスにとどまらない可能性もあるという。Cantor Fitzgeraldは、予測市場が機関投資家向けの多目的ツールとして台頭し、リスク管理やマクロヘッジの手段として活用される可能性があると指摘した。単なるイベント連動型の売買を超え、市場見通しやリスク管理の手段になり得るとの見方だ。

もっとも、最大の不確定要因はなお規制にある。現時点では、米国の連邦・州当局の間で、予測市場をデリバティブとして規制するのか、賭博として扱うのか判断が分かれている。Cantor Fitzgeraldは現在の規制環境を「混乱している」と表現した。

このため、予測市場そのものの成長が続いたとしても、関連企業がどこまで恩恵を取り込めるかは規制明確化のスピードに左右される可能性が高い。ただ、ユーザー基盤が大きく、既存の取引インフラを備えたプラットフォームが有利という構図は明確だとして、規制の不透明感が後退した場合に市場拡大の果実を最も早く取り込みやすい候補として、RobinhoodとCoinbaseを挙げた。

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