科学観測データの信頼性検証へのブロックチェーン活用を示す事例。画像=Reve AI

SkyMapperは14日、Avalanche(AVAX)基盤の専用ネットワーク「SkyMapper L1」を公開した。望遠鏡や各種センサーが取得した宇宙観測データに暗号署名を付与して記録し、観測時刻や改ざんの有無を後から検証できるようにする。SETI研究所との実データ連携も始まっている。

米CoinDeskによると、SkyMapperは同ネットワークを通じて、宇宙観測データを真正性の確認が可能な形で記録・保全する仕組みを立ち上げた。

中核となるのは、「宇宙観測証明(Proof of Space Observation、POSO)」と呼ぶ仕組みだ。世界各地の望遠鏡やセンサーで収集したデータをデジタル記録として残し、観測が実際に行われたか、いつ観測されたか、その後に改ざんされていないかを検証できるよう設計した。

検証は観測の瞬間に行う。ネットワークに接続した望遠鏡が衛星の通過や深宇宙からの信号を捉えると、データには直ちに暗号署名が付与される。この署名は各観測機器の固有識別子として機能し、時刻情報とともにネットワークに記録される。

データの保存方法も従来の中央集権型データベースとは異なる。SkyMapperは原本データを分散型ストレージネットワークに分散保存し、そのデジタル指紋をAvalancheのブロックチェーン上に記録する。利用者は後からその指紋を照合することで、記録が真正なものか、途中で改ざんされていないかを確認できる。

アクセス制御の機能も備える。スマートコントラクトが取り込んだデータを検証・分類し、アクセス権限を管理することで、政府や国防関連の機微情報は非公開のまま維持しつつ、科学研究向けデータは共有できるようにした。各記録については、取得時点や位置、出所まで追跡できるとしている。

実在機関とのデータ連携も始まっている。地球外知的生命体探査で知られるSETI研究所がリアルタイムの観測データを提供しており、研究機関の科学データをブロックチェーン基盤の検証システムに接続する初期事例の一つと位置付けられる。

SkyMapperが背景として挙げるのは、宇宙関連データの急増だ。衛星やドローン、宇宙ミッションの拡大に伴って観測情報は急速に増えている一方、データが改ざんされていないか、出所に誤りがないかを確認する作業は難しくなっているという。同社は、ブロックチェーンを使って各観測記録を永続的かつ改ざん耐性のある形で残すことで、誰でも独立して検証できるようになると説明している。

Avalanche開発元Ava Labsの創業者兼CEO、エミン・グン・シラー氏は「現実世界に影響を与えるブロックチェーンインフラを構築している」とした上で、「観測所データをブロックチェーンに固定する今回の取り組みは、この技術が科学をどう変え得るかを示している」と述べた。

今回の発表は、Avalancheの活用領域がデジタル資産やDeFi中心から、実世界データの検証へと広がりつつあることを示すものでもある。科学分野に加え、企業や政府機関など高い信頼性が求められる領域で、観測データの流通やアクセス権限管理の枠組みとして定着するかが注目される。

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