イーサリアムが2300ドル台を回復し、10万ETH超を保有する大口ウォレットが再び含み益圏に入った。オンチェーン指標の改善や蓄積アドレスの増加を背景に、相場は3000ドル回復を意識する展開となっている。一方で、2750〜2850ドル帯には売り圧力が控えており、2800ドル近辺が当面の上値抵抗として注目される。
Cointelegraphが14日に報じたところによると、足元の反発を受けて、イーサリアムには3000ドル再挑戦への期待が広がっている。ただ、短期的には2800ドル前後の強い抵抗が相場変動の要因として残る見通しだ。
TradingViewのデータでは、イーサリアム価格は週末に2330ドルまで上昇した。3月29日に付けた直近安値の1940ドルからは約20%上昇した計算になる。今回の反発については、米国とイランの2週間の停戦発表などに加え、市場構造の改善が背景にあるとの見方が出ている。
価格上昇に伴い、オンチェーン指標も持ち直した。CryptoQuantのアナリストCW8900は、10万ETH以上を保有するウォレットの未実現利益率を根拠に、こうした「クジラ」ウォレットが再び利益の出る水準に戻ったと指摘した。
同氏は、大口保有者の採算改善は底値圏での買い集めを示すものであり、長期投資家の信認を示すシグナルだと評価している。
長期の蓄積トレンドも続いている。蓄積アドレスとは、イーサリアムを継続的に受け取る一方、外部に送金しないウォレットを指す。
これらのアドレスの保有量は合計2630万ETHに達し、過去最高を更新した。2026年に入ってイーサリアム価格が同期間に25%下落したにもかかわらず、保有量は32%増加した。
CryptoQuantのデータによると、この買い集めは2025年末に始まり、2026年に入ってさらに勢いを強めた。過去にも、蓄積アドレスへの流入が急増した後に価格が追随して上昇した事例が確認されている。
2025年6月22日には、1日当たりの流入量が当時の最高水準を上回り、その約30日後にイーサリアム価格はほぼ85%上昇した。2025年11月の流入急増後にも、同様の上昇が続いたという。
テクニカル面でも、なお反発余地が意識されている。12時間足チャートでは、イーサリアムはラウンドボトムを形成しつつあり、2140ドル近辺のサポートを再び試す局面にあるとみられている。
この水準は、チャート上の支持線と20日指数移動平均線(EMA)が重なるゾーンに当たる。買いが2400ドルの抵抗線を明確に上抜ければ、上値目標は2940ドルとなる。足元の水準からみると約32%高い。
モメンタム指標も改善している。日足の相対力指数(RSI)は、売られ過ぎに近かった36付近から57まで上昇した。市場に買いが戻りつつあるサインと受け止められている。
もっとも、上値抵抗も明確だ。原価分布データによると、投資家は平均取得単価2750〜2850ドルのレンジに約760万ETHを保有している。このゾーンは、損益分岐点に達した持ち高の売りが出やすい価格帯とされる。
そのため、価格がこの水準に近づくと売り圧力が強まり、上昇が一服する可能性がある。
アナリストのTagadoBTCも最近のXへの投稿で、イーサリアムの次の主要抵抗線として2800ドルを挙げた。2400ドルを突破すれば、2800ドルまで上昇余地が広がる可能性があるとの見方を示している。
当面の焦点は、2400ドルを明確に上抜けられるか、さらに2800ドル近辺の売り圧力をこなせるかにある。大口保有者の採算改善と長期の蓄積拡大は相場反発への期待を支える一方、本格的なトレンド転換には上値抵抗帯の突破が欠かせない。