米連邦準備制度理事会(FRB)議長候補に指名されたケビン・ウォッシュ氏が、総額1億ドル超の資産を保有していることが明らかになった。保有資産には暗号資産やAI、プライベートエクイティ(PE)関連の投資が含まれる。承認手続きは前進したものの、上院審査では利益相反への対応や政治情勢が焦点になりそうだ。
BeInCryptoによると、ウォッシュ氏は4月14日(現地時間)、米政府倫理局に69ページの資産報告書を提出した。これにより、上院銀行委員会が承認公聴会の日程調整を進める前提が整った。
開示資料で最大の投資先となったのは、PEファンド「Juggernaut Fund LP」だった。ウォッシュ氏は同ファンドについて、いずれも5000万ドル超の出資2件を記載した。あわせて、スタンリー・ドラッケンミラー氏の投資オフィスから受け取ったコンサルティング報酬1020万ドルも申告した。
また、ウォッシュ氏は「THSDFS LLC」を通じて約24件の投資持ち分を保有していると届け出た。このうち一部は最大500万ドル規模として記載されたが、詳細は秘密保持契約(NDA)を理由に非開示とされた。一部海外メディアは、金額が明示されていない相当数の資産がAIや暗号資産分野に集中していると報じている。
開示資料からは、暗号資産関連ではイーサリアムのレイヤー2ネットワーク「Blast」への投資が確認された。ビットコイン現物ETFを手がけるBitwise Asset Managementへの過去の投資も明らかになった。今後の承認過程では、利益相反への対応が主要な論点になるとみられる。
ウォッシュ氏は、承認された場合、Juggernaut FundとTHSDFSの持ち分を売却する方針を示した。米政府倫理局の分析官ヘザー・ジョーンズ氏は、売却計画が完了すれば関連規定を満たすとして了承した。就任後の売却を前提に、倫理審査を通過した形だ。
次の手続きは、上院銀行委員会での公聴会となる。正式日程は決まっていないが、早ければ来週にも開催される可能性がある。当初は16日の開催が有力視されていたものの、資産開示の遅れで先送りされた。
もっとも、最終承認までには政治面での不透明感が残る。共和党のトム・ティリス上院議員は、ジェローム・パウエルFRB議長を巡る連邦捜査が終結するまで、ウォッシュ氏を含むFRB人事案すべてに反対する考えを示していた。
パウエル議長の任期は5月15日に満了する。ウォッシュ氏の承認手続きは行政段階を越えたが、公聴会の日程や上院採決の行方は、今後の政治状況に左右される可能性がある。