ビットコインが短期的に反発している。ただ、市場ではなお下値への警戒が根強く、相場が本格的に持ち直す前に5万ドル近辺まで下押しする可能性を指摘する声が出ている。
Cointelegraphが現地時間14日に報じたところによると、一部の暗号資産アナリストは、ビットコインが本格回復に向かう前に「最後の投げ売り」に見舞われる可能性があるとみている。
ビットコインは足元で7万5000ドル手前まで戻したが、これをトレンド転換とみるのは時期尚早との見方が多い。米国とイランを巡る緊張緩和への期待から、世界の金融市場では一時的にリスク選好が持ち直したものの、ビットコインの弱気シナリオはなお消えていない。
ビットコイントレーダーのイバン・リルイェクビストはX(旧Twitter)で、「大きな投げ売りはまだ出ていない」との見方を示した。6万ドルが底だったとは考えておらず、トレンドは依然として下向きだと指摘。足元の反発についても、大きな流れの中では小幅な戻りにすぎないとの認識を示した。
ほかのアナリストも同様の見方を示している。メルリン・エンケラルは、ビットコインが蓄積局面を経た後、弱気相場の第2局面に入る可能性があると指摘。その過程で値動きが不安定な局面を挟みながら、5万ドルまで下落する余地があるとした。シンビオトも、長期チャートは「非常に弱気」だとし、5万9000ドル、あるいは5万ドルを目指す最後の急落が起こる可能性があると予想した。
暗号資産アナリストのジェイエルは13日、弱気継続のシグナルとされるベアフラッグのパターンが依然として有効だと指摘した。これは下落トレンドの継続を示唆するテクニカルパターンで、短期的な反発があってもチャート構造そのものは大きく変わっていないとの見方だ。
下値のメドを巡っては、今回の相場サイクルの構造も論点になっている。LVRGのリサーチディレクター、ニック・ラックは、5万ドルについて「本格反発前の最後の買い場として意識されている」と述べた。マクロ環境の圧力や資金循環の弱さが続く中、この水準が相場サイクルを立て直すポイントになり得るとの見方を示した。
一方で、過去と同様の急落が再現されるかについては見方が分かれる。ニック・ラックは、ビットコインが2025年10月の過去最高値(ATH)からすでに約40%下落している一方、今回は機関投資家の参加比率が高いと指摘した。個人投資家主導の投機色が強かった過去のサイクルと比べ、下落率が同じ水準まで拡大するとは限らないという。実際、2017年の高値後の弱気相場では82%下落し、2021年の過去最高値後も77%下落した。
同氏は今回のサイクルについて、これまで以上にマクロ環境の影響を受けやすい構造だと分析する。そのため、市場で一部に意識される60%安のような下げには至らない可能性もあるとした。下方リスクには警戒が必要だが、過去サイクルの値動きパターンをそのまま当てはめるのは難しいとの見立てだ。
こうした中、Fidelity Digital Assetsも今月初め、2026年の下方リスクは過去のサイクルほど劇的ではないとの見方を示していた。市場の関心は短期反発が続くかどうかよりも、追加の下落を伴わずに下値を固められるかに移っている。5万ドルが実際に買い場として機能するのか、それとも6万ドル近辺で底入れが確認されるのかが、当面の焦点となりそうだ。