銀行による香港H指数連動の株価連動証券(ELS)の不完全販売を巡る課徴金について、金融委員会が15日の定例会議で最終判断を示す可能性が高まっている。これまで結論は先送りされてきたが、制裁判断の遅れが長引くほど当局の負担も大きくなるため、今回は決着するとの見方が強い。
金融業界によると、金融委員会は同日の定例会議で上程案件を審議する予定で、この中に銀行の香港H指数連動ELS不完全販売案件が含まれる可能性がある。今回も結論が出なければ、最終決定は来月に持ち越される可能性がある。
課徴金の規模はすでに大幅に見直されている。金融監督院は当初、制裁額を約4兆ウォン(約4400億円)と算定していたが、制裁審議委員会を経て約1兆4000億ウォン(約1540億円)規模に縮小した。
最終判断を担う金融委員会は、金融消費者保護法などに基づき、最大75%の追加減額を認めることができるとされる。焦点は、この減額措置をどこまで適用するかにある。適用幅によって、最終的な課徴金の水準は大きく変わる見通しだ。
金融委員会内では、銀行が投資家被害の相当部分について先行して自主補償を進めた点を踏まえ、追加減額が必要だとする見方がある一方、すでに一度大幅な減額が行われており、追加的な緩和は限定的にとどめるべきだとの意見もあるとされる。
銀行側は、自主補償の実績を根拠に減額の必要性を強く訴えている。主要な販売銀行は、被害顧客の約95〜97%に対する補償を終えたとしている。
監督当局がこれまで、先行補償に伴う制裁緩和の可能性に言及してきたことから、一定水準の減額は避けられないとの期待も出ている。最近の民事訴訟では、投資家の自己責任を重視する判断もみられ、銀行側の主張を後押しする材料として受け止められている。
銀行業界では、課徴金の水準がELS事業の存廃判断にも影響するとの見方が出ている。主要商業銀行は2023年末以降、ELS販売をほぼ中断しており、一部では販売再開ではなく事業からの撤退まで検討しているという。
背景には、販売規制強化に伴うコスト負担の増加、不完全販売リスクの高まりに加え、課徴金が確定した場合の資本健全性悪化への懸念がある。
課徴金は単なる一時費用にとどまらない。確定した場合、一定期間はその数倍に相当する金額をリスク加重資産(RWA)に反映する必要があり、資本効率に直接影響するためだ。
一方、ELS事業を終了すれば、一定期間後にはRWA反映に伴う負担を抑えられる。このため、課徴金の規模次第では、事業継続の是非を改めて検討せざるを得ないとの声もある。上場投資信託(ETF)など、構造が比較的シンプルな投資商品が急速に普及し、ELSの商品競争力が低下していることも背景にある。
金融委員会の最終判断は、課徴金額の確定にとどまらず、銀行側が訴訟に踏み切るかどうかや、事業構造の再編ペースにも影響を与える可能性が高い。あわせて、金融当局が金融消費者保護をどの水準で具体化するのかを示す判断にもなりそうだ。
銀行関係者は「制裁水準がどこで決まるかによって、訴訟が広がるかどうかも変わり得る」とした上で、「課徴金の規模は経営判断の妥当性に直結するだけに、慎重に見極める必要がある」と述べた。