英国下院議員でReform UK代表のナイジェル・ファラージ氏が、250万ドル相当のビットコイン購入を公表した。取引は英国上場のStack BTC Plcを通じて行われ、現職の英国議員によるビットコイン購入の公表としては初の事例だという。13日、BeInCryptoが報じた。
取引はロンドンにあるBlockchain.com本社で実施された。ファラージ氏はStack BTCの主要株主でもある。
Stack BTCは直近で420万ポンド超を調達しており、その一部を今回の購入に充てた。同社は、収益性の高い英国企業を買収し、余剰資本をビットコインに振り向けて長期保有する戦略を掲げている。
今回の購入により、Stack BTCのビットコイン保有量は21BTCから68.19BTCへ増加した。同社はこの取引を重要な節目と位置付けている。
ファラージ氏は、ビットコイン保有戦略を掲げる以上、継続的に資産を積み増さなければ信頼は維持できないとの考えを示した。
政治との近さも注目点となっている。Stack BTCの会長を務める元英財務相クワジ・クワーテング氏は、ロンドンを新たな通貨時代の中心にするとの目標を公にしている。同氏は、英国で最も優れたビットコイン保有戦略企業をつくることを目指すと述べた。
市場では今回の取引を象徴的な事例とみる向きがある。ビットコイン相場がこのところ軟調な局面で買いを入れたことで、高値追いではなく、下落局面で保有量を増やす戦略との受け止めが出ている。
BeInCryptoは、こうした動きが、ビットコインを長期保有資産としてバランスシートに組み入れる世界的な企業の流れと重なると伝えた。
一方で、利益相反を巡る議論を招く可能性もある。ファラージ氏は取引を執行した企業の株式を保有しており、政治的影響力と投資上の利害が結び付いていると受け止められる余地があるためだ。
今回の事例が英国企業全体のビットコイン採用拡大につながるかはなお不透明だ。ただ、政界、機関投資家、個人投資家のいずれにとっても、ビットコインへのエクスポージャーを公の議論の場に引き上げる契機になり得るとの見方も出ている。
ファラージ氏はこれまでも、英国を世界的な暗号資産ハブに育てるべきだと繰り返し主張してきた。Reform UKはすでに暗号資産による寄付の受け入れを始めており、デジタル資産に前向きな政策も進めている。
今回の購入公表は、英国の規制当局や他党に対し、暗号資産に対する立場をより明確にするよう促す材料となる可能性がある。