暗号資産マイニング大手のBitdeerは、4月10日時点の週次運用データを公表し、1週間で採掘したビットコイン165BTCを全量売却したと明らかにした。顧客預かり分を除く自社保有ビットコインは0BTCのままで、採掘分を保有せず即時売却する方針を維持している。
同社がXで開示した週次データによると、期間中のビットコイン産出量は165BTC、売却量も165BTCで、純増は0BTCだった。Bitdeerは2025年2月から、自社で採掘したビットコインを保有しない「ゼロ保有」戦略を採用している。
今回の売却は一時的な措置ではなく、従来の運用方針に沿ったものだ。採掘したビットコインを速やかに現金化し、電力費や設備関連コストなどの運営負担を安定的に賄う狙いがある。
この運用は、採掘したビットコインを積み増す保有型の戦略とは一線を画す。Bitdeerはビットコイン価格の変動リスクを抑えつつ、キャッシュフローの安定を優先する姿勢を鮮明にしている。
事業基盤の拡大も進んでいる。稼働ハッシュレートは2026年2月時点で68.0EH/sに達し、同月の月間採掘量は705BTCだった。4月7日には、自社開発の「SEAL04」チップを搭載した最新マイニング機器「SEALMINER A4」シリーズも公開しており、採掘運営と機器開発を一体で進める垂直統合戦略を継続している。
こうした動きの背景には、半減期後の収益環境の悪化もある。2024年4月のビットコイン半減期で、ブロック報酬は6.25BTCから3.125BTCに半減した。以後、マイニング事業者には収益性の悪化に対応するため、コスト削減と効率改善の両立が求められている。
Bitdeerはハッシュレートの拡大とマイニング機器の内製化を進める一方、財務運営では保守的な姿勢を維持している。採掘分の全量売却と保有ゼロを続けながら、新型機の投入も進めることで、ビットコイン価格への投機よりも運営の安定性と採掘効率の向上を重視する構えだ。