食品各社が、Naverプラスストア向け専用商品の投入を相次いで進めている。食品メーカーはNaver上で蓄積される検索、購買、レビューのデータを商品企画に生かせる一方、Naverにとっても専用商品は品ぞろえの差別化や集客力の強化につながるためだ。
業界によると、HarimやDongwonグループの食品関連各社は、Naverショッピングと連携してNaverプラスストア専用商品を発売している。商品によっては「Naver only」として、企画段階から共同で開発を進めているという。
Harim産業は先月、「The美食 当餐真味 白米飯」を発売し、1カ月後に「Golden Queen 白米飯」を追加した。いずれも企画段階からNaverと共同で開発した商品だとしている。
Dongwonグループの食品各社も専用商品の展開を広げている。Dongwon F&Bは先月、「ヤンバン 2倍濃厚 サゴルコムタン」と「Dongwon 点心 カニ身 シャオロンバオ」を発売した。
Dongwon産業は旧正月商戦期に、「Dongwonツナ 赤い馬の年 リミテッドエディション」をNaver専用商品として投入した。これらの商品は、Naverプラスストアやショッピングライブなど、Naverのプラットフォームを通じて販売された。
◆検索・購買・レビューを次期商品に反映
こうした専用商品の特徴は、Naverプラスストアで得た消費者データをもとに企画している点にある。自社モールでは、検索流入から購買、購入後のレビュー投稿までを一気通貫で大規模に把握するのは難しい。一方、Naverプラスストアでは、検索、露出、購入、レビュー投稿までが単一プラットフォーム上で完結するため、消費者の反応を幅広く捉えやすいという。
食品各社は、Naverショッピングを、大量の検索・購買データから顧客の嗜好を具体的に把握できる場と位置付けている。公式ストアの運営によって流入を増やすだけでなく、Naverショッピング上で蓄積される自社商品の関連データを活用し、企画段階からニーズを反映した専用商品として開発する狙いがある。
とりわけ食品カテゴリーは、購入レビューが商品開発や改良に結び付きやすい分野とされる。味や食感、量、調理のしやすさ、コストパフォーマンス、再購入意向など、実際の使用感が購買判断に与える影響が大きく、レビューは後続商品の開発やリニューアルの方向性を見極める材料にもなるためだ。
Harim産業は、消費者の反応を素早く確認しやすい商材としてレトルトご飯に着目した。Harimによると、レトルトご飯はオンラインでのリピート購入率が高い。Naverショッピングに集まる大規模な検索・購買データを確認できるため、市場の反応を踏まえた商品投入に有効だとみている。
Harim産業の関係者は「最近のレトルトご飯は、単なる簡便食を超え、品種や食感など好みが細分化している」としたうえで、「オンラインチャネルで急速に変化する需要をきめ細かく反映するため、Naver only商品を企画した。今後も嗜好データを確認しながら、レトルトご飯をNaver専用の中核商品群として育て、ブランドの強みを生かしていく」と述べた。
Dongwon F&Bも、スープや鍋料理、点心に関するレビューを反映してNaver専用商品の開発に着手したと説明している。Dongwonグループの関係者は「Naverの購入レビューから、濃厚なコムタンや海産物を使った点心への需要が高いことに着目し、今回のNaver専用商品に反映した」と話した。
こうしたプラットフォームと食品企業による専用商品開発は、Naverに限った動きではないとの見方もある。実際、他のECチャネルでも、プラットフォームのキュレーション力と食品メーカーの製造力を組み合わせた協業は続いている。CJ第一製糖とKurlyも、肉汁プラス王餃子、ヘッパン Golden Queen米ご飯、玄米コンニャクおにぎりなどの専用商品を展開したことがある。
◆ECの差別化競争、専用商品で囲い込み
Naverにとっても、食品各社との専用商品開発はNaverプラスストアの競争力を高める施策と位置付けられる。ECの競争軸が品ぞろえや値引き、ポイント還元に加え、配送へと広がるなか、一般的な商品だけでは差別化が難しくなっており、専用商品は集客拡大と利用者の囲い込みを同時に狙える手段とみられている。
ブランドとの協業による専用商品は、Naverプラスストアへの流入増に加え、プラットフォームの差別化を進める有力な手段になり得るとの見方もある。食品にとどまらず、国内外の主要ブランドと戦略的に協業し、専用商品や限定構成などの「キラー商品」育成に乗り出している背景だ。
Naverは、Naverショッピングが購買目的の利用者だけでなく、カフェやブログなどコミュニティ経由の流入も多い点を、他のECチャネルとの差別化要因とみている。関心分野ごとに幅広い消費者が集まる構造を生かし、特定ニーズに合わせた人気商品の専用投入や関連イベントの実施といった協業を拡大している。
Naverは食品ブランドの専用商品にとどまらず、外部ECとの連携も広げている。専用商品と連動した各種サービスを通じて、Naverプラスストアの商品競争力と利用者接点の双方を拡大する戦略とみられる。
Naverの関係者は「ブランドとともに競争力のある商品を発掘し、キラー商品として育てるため、さまざまな分野で協力を広げている」としたうえで、「今年は利用者ニーズをより多様に反映できるよう、専用商品や企画展を拡大する計画だ」と述べた。