未上場時に10億ドル超の評価を受けた主要な暗号資産プロジェクトで、上場後の時価総額が大きく落ち込んでいることが分かった。案件によっては下落率が99%を超え、上場前評価と実際の市場価値の大きな乖離が浮き彫りになっている。
ブロックチェーンメディアのBeInCryptoが12日(現地時間)、CryptoQuantのデータを基に報じた。調査対象となった10案件の現在の時価総額は、それぞれ700万〜2億9400万ドルに縮小。直近のVC投資時の評価額と比べた下落率は88〜99%超に達した。
下落率が最も大きかったのは、Ethereumのレイヤー2であるScroll(SCR)だ。Polychain Capital、Variant、Bain Capital Cryptoなどが参加した投資ラウンドで8000万ドルを調達し、当時の評価額は18億ドルだった。現在の時価総額は約825万ドルで、99.54%下落した。
Boba NetworkとFuel Networkも下落率は99%近くに達した。CryptoRankは、こうした案件について「数十億ドル規模の価値から、事実上ゼロに近い水準まで落ち込んだ」とし、「ほぼ全面的な価値破壊の事例」と評した。
金額ベースで下げ幅が最も大きかったのはStarknet(STRK)だった。Paradigm、Sequoia Capital、Greenoaks Capitalなどから2億8250万ドルを調達し、評価額は80億ドルに達していたが、現在の時価総額は約1億9900万ドルと、95%下落した。
このほか、Polyhedra Network、Wormhole、Magic Eden、HashKey Group、Mocaverse、Immutableなども下落率上位10件に入った。
とりわけ下落率が大きかった案件のうち4件は、ゼロ知識証明(ZK)とレイヤー2の関連分野に集中していた。特定技術への期待を背景に資金が流入した時期の高い評価が、実際の市場価格とかけ離れていたことを示す事例といえそうだ。
相場が軟調ななかでも、暗号資産業界へのVC投資は再び増加傾向にある。CryptoRankによると、2026年3月の業界全体の資金調達は約100件、総額25億9000万ドルとなり、2025年10月以降で最高水準を記録した。
投資主体別ではCoinbase VenturesとAnimoca Brandsの参加が最も活発だった。分野別ではブロックチェーンサービスが39件で最多となり、DeFi、CeFiが続いた。
業界では、未上場時の評価額と上場後の時価総額の乖離が、改めて重要な検証指標として注目されている。著名投資家の参加だけではトークン上場後の成果を保証しにくく、実際の市場で形成される流動性や需要がプロジェクト価値を左右する主要因であることが、あらためて示された。