電動アシスト自転車向けモーターは、内側ローター型と外側ローター型で騒音、効率、コスト、適した用途が分かれることが分かった。Bafangは、どちらかが一方的に優れているというより、用途や製品設計に応じて選ぶべきだとしている。
英モビリティメディアのBikeBizは4月10日(現地時間)、中国の電動アシスト自転車向け駆動システムメーカーBafangの比較資料を引用し、モーター構造の違いが走行性能や乗り味を左右する主要因の1つだと報じた。
Bafangは、電動アシスト自転車の中核要素としてバッテリーとモーターを挙げ、とりわけモーターの構造差が製品特性を大きく左右すると説明した。
内側ローター型はローターが内部で回転し、ステーターを外側に配置する構造。これに対し外側ローター型は、ローターが外周側で回り、ステーターを中心部に置く。Bafangは、こうした構造の違いが効率や騒音、製造コストなどに直結すると分析している。
騒音と振動の面では、内側ローター型が優位とした。Bafangによると、内側ローター型はブリッジ構造によって速度やトルクの変動を抑えやすく、より滑らかで静かな走行につながるという。
一方、外側ローター型は片持ち構造の特性上、変動幅が大きくなりやすく、相対的に騒音が増える可能性があるとした。
コストと構造のシンプルさでは、外側ローター型に分がある。内側ローター型は構造が複雑で、製造コストや保守負担がかさみやすいのに対し、外側ローター型は設計が比較的単純で、コスト面や整備性で有利だと評価した。
このためBafangは、静粛性や効率を重視するモデルには内側ローター型、価格競争力やシンプルな構造を重視する製品には外側ローター型が向くとの見方を示した。
性能面でも差がある。内側ローター型は高い減速比を取りやすく、伝達効率や出力密度に優れるため、高速走行で有利とされる。
これに対し外側ローター型は、低い減速比に適し、よりコンパクトに設計しやすい半面、相対的に消費電力が大きく、高速域では効率が落ちやすいという。
もっともBafangは、特定の構造に絶対的な優位性があるとはしていない。内側ローター型と外側ローター型は、使用環境や製品の設計方針に合わせて選定することが最適だと説明している。
また、電動アシスト自転車の性能はモーター単体で決まるものではない点も強調した。コントローラー、バッテリー、ディスプレイを含む全体設計の完成度が、実際の走行体験を左右するとしている。
Bafangは今後の研究開発方針として、ユーザー中心の設計を掲げた。電動アシスト自転車市場がスマート化と高効率化へ向かうなか、利用者ごとのカスタマイズ需要を踏まえた統合技術の競争が、今後さらに重要になると見通している。
今回の比較は、単なる技術解説にとどまらず、駆動系の選定基準を構造面から整理した内容ともいえる。モーター構造ごとの長所と短所を、どの製品群にどう当てはめるかが、メーカー各社の設計戦略の差別化につながりそうだ。