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フィンテック業界が、利用者や取扱高の拡大を優先する局面から、収益性を競う段階へ移行している。Toss、Naver Financial、KakaoPayが2025年にそろって通期黒字を達成したのに続き、電子決済企業のHecto Financialも過去最高業績を記録した。

金融業界によると、Toss運営会社のViva Republica、Naver Financial、KakaoPayの3社合計の2025年の当期純利益は3909億ウォンと、前年比141%増加した。営業利益は5116億ウォンで、同274%増だった。

売上高も3社合計で5兆5179億ウォンと、前年比26.3%増え、いずれも過去最高を更新した。利用者基盤の拡大にとどまらず、収益規模や採算性の改善が同時に進んだ格好だ。

企業別では、Tossの伸びが最も目立った。売上高は2兆6983億ウォン、営業利益は3360億ウォンで大幅に増加し、純利益は2018億ウォンと前年比846%増となった。

純利益は創業以来の最高水準。利用者数2900万人を基盤に、銀行、証券、決済、広告など複数事業がバランスよく収益に寄与した。

Naver Payを運営するNaver Financialの営業利益は1252億ウォンで、前年比30%増加した。利用者の拡大に加え、決済取扱高の伸びが続き、収益構造の改善が進んだ。

KakaoPayは売上高9584億ウォン(前年比25%増)、営業利益504億ウォンを計上し、創業後初の通期黒字を達成した。利用者数は約3800万人で、オフライン決済額が前年比43%増と大きく伸びたことが黒字転換を後押しした。

◆各社で異なる収益多角化戦略

3社の業績改善は、単なる利用者増によるものではなく、プラットフォームを基盤とする収益モデルが実際の利益創出につながり始めた結果とみられる。

Tossは、広告と金融を組み合わせた収益モデルに加え、オフライン決済インフラの拡大を進めている。オフライン決済端末「Toss Place」は累計約30万台まで広がり、加盟店の決済データを直接確保する基盤として活用している。

広告事業でも、「Toss Ads」を通じて金融中心だった広告領域をコマースやブランド広告へ広げている。

Naver Financialは、自社エコシステムの外へ決済領域を広げる戦略で成長を維持している。旅行、外食、オフライン店舗など、Naverの外で発生する決済関連売上の比率は56%を超え、自社サービス内への依存度はすでに半分以下に低下した。

ショッピング、広告、決済が有機的に連動する構造が、安定した収益基盤を支えている。

KakaoPayは、決済で築いた利用者基盤と信頼を生かし、保険の比較・提案や投資サービスなどの金融仲介手数料収入の拡大に注力している。証券取引額は45兆ウォンと前年比159%増となり、マイデータ基盤のパーソナライズ広告も87%成長するなど、収益源の多角化が進んだ。

初の通期黒字を機に、今後は金融サービス収益の比率をさらに引き上げる方針だという。

◆Hecto Financial、最高業績でグローバル展開を本格化

Hecto Financialも2025年、売上高1874億ウォン、営業利益156億ウォンと、それぞれ前年比17.7%、17.2%増となり、過去最高業績を達成した。簡便決済と電子決済代行(PG)サービスが2桁成長を記録するなか、高収益の会員制サービス「My Account Payment」の拡大が業績をけん引した。

同社は2026年、グローバル事業を本格化し、成長エンジンの多角化を進める方針だ。ステーブルコイン基盤のクロスボーダー精算インフラを構築し、最近では日本首位のeSIM事業者グループの子会社と提携して、訪韓外国人観光客向けのプリペイド決済市場にも参入した。

プリペイド決済サービス「Mori Pay」との独占契約を通じ、日本人観光客を皮切りに、台湾、ベトナム、タイなどアジア主要市場へサービスを広げる計画だ。訪韓外国人観光客の年間総消費支出は約30兆ウォンに達しており、トラベル決済市場は同社の新たな成長領域として注目されている。

クロスボーダー精算事業でも成果が出始めている。2026年1〜3月期時点で、同事業の取引額は四半期ベースで3500億ウォンを突破し、売上総利益率は70%を上回ったという。

AliExpress、Temu、TikTokなど大手プラットフォーム向けの法定通貨建て精算需要が急増しており、同社は2026年の業績への寄与が一段と高まるとみている。

金融業界では、フィンテック企業が量の拡大を優先する段階を経て、本格的な収益化フェーズに入ったとの見方が出ている。利用者基盤を生かしたプラットフォームモデルが利益に結び付き始めたことで、今後は規制対応力と事業多角化の成否が企業間の差を分ける重要な要素になりそうだ。

業界関係者は「フィンテック企業は単なるトラフィック確保の段階を超え、収益化の仕組みを具体化する局面に入った」としたうえで、「各社の差別化された収益モデルと規制対応力が中長期の成長を左右する」と話した。

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