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金融監督院は10日、Samchundang Pharmを巡る一連の混乱を受け、医薬・バイオ企業の情報開示全般の見直しに着手した。適時開示を後回しにしたり回避したりしたまま、報道資料で契約成果や事業見通しを先行発信する慣行が、投資家の混乱を広げたと判断したためだ。

同院は同日、医薬・バイオ業界の開示制度改善に向けたタスクフォース(TF)の発足式を開き、制度見直しの必要性と今後の推進方針を議論した。

TFでは、同業界で繰り返し指摘されてきた業績や好材料の誇張、報道資料に偏った不透明な情報提供の是正を重点課題として扱う。金融監督院は、定期報告書、事業報告書、証券届出書など既存の開示書式に加え、報道資料に関するガイドラインも合わせて点検する方針だ。

ガイドラインには、企業が使用を控えるべき表現や、必ず記載すべき事項などが具体的に盛り込まれる可能性があるという。

背景には、医薬・バイオ業界に特有の情報の非対称性がある。臨床試験の進捗、技術移転契約、許認可審査、想定売上高や市場規模の推計といった情報は投資判断に直結する一方、専門性が高く内容も複雑で、個人投資家には実態を正確に把握しにくいとの指摘が続いてきた。

実際、一部企業では期待感を高める情報を積極的に発信する一方で、投資判断に必要な主要条件や前提、不確実性の説明が不十分なケースが繰り返されてきた。金融当局は、新薬開発計画と実際の研究開発力の乖離を埋め、形式的な開示にとどまっていた制度の実効性を高める方向で基準を見直すとみられる。

今回の議論の発端となったのはSamchundang Pharmの事案だ。韓国取引所は3月31日、同社について「業績見通し・予測に関する公正開示義務の不履行」を理由に、不誠実開示法人の指定を予告した。

取引所が問題視したのは、同社が2月6日、正式な開示手続きを経ずに、自社製品の海外業績見通しを報道資料で先に公表した点だ。適時開示より報道資料が先行したことで、投資家が同一の規制枠組みで検証された情報を受け取れなかったとの指摘が出た。

Samchundang Pharmが3月30日に発表した米企業とのライセンス契約も、市場の疑念を強めた事例として挙げられている。契約相手を明らかにしないまま、商業化した場合には同社がパートナー企業の収益の90%を受け取る構造を示したことで、契約の実効性や継続性を疑問視する声が広がった。

株価の値動きも激しかった。同社株は年初の24万4500ウォンから3月30日には118万4000ウォンまで急騰したが、4月9日には50万4000ウォンまで下落した。

これに加え、同社代表のチョン・インソク氏による大規模な株式売却計画も投資家心理を冷やした。チョン氏は約2500億ウォン相当の株式を、23日から翌月22日まで時間外取引で売却する予定だと開示し、税金納付のための措置だと説明した。

その後、同社は大株主の売却計画を巡る論争が広がると計画を撤回したが、株価の変動は続いた。市場では、正式開示、報道資料、大株主の売却計画が同時期に重なったことで、投資判断が一段と難しくなったとの見方が出ている。

市場では今回の事案について、過去のShinpoong PharmやShinraGenの事例を重ねる見方もある。いずれも新薬開発への期待で株価が急騰した後、大株主の売却や臨床開発を巡る不確実性が重なり、投資家不安を増幅させた点で共通するとされる。

医薬・バイオ企業の開示改善で重要なのは、期待そのものを抑えることではなく、期待の根拠をより明確に示すことだ。今回発足したTFの議論を通じ、報道資料と正式開示の間にある規制の空白をどこまで埋め、投資家が実際のリスクや条件を読み取れる開示体系を構築できるかが焦点となる。

一方、金融委員会は昨年12月、「KOSDAQ市場 信頼+革新 強化方策」を通じ、投資家保護の強化と市場の信頼回復を主要課題に掲げた。市場では、金融監督院による今回の医薬・バイオ開示見直しも、政府のKOSDAQ市場の信頼向上策と軌を一にする措置との受け止めが広がっている。KOSDAQ市場に占める医薬・バイオ企業の比重が大きいためだ。

金融投資業界の関係者は「医薬・バイオは成長期待が大きい分、情報の非対称性が拡大すれば投資家被害も広がりかねない」としたうえで、「今回のTF発足は、政府のKOSDAQ信頼向上方針に沿って市場規律を立て直す動きといえる」と述べた。

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