NASAは11日、Artemis IIの乗員4人が約10日間の有人月周回任務を終え、地球に帰還したと発表した。オリオン宇宙船は米カリフォルニア州サンディエゴ沖の太平洋に午後5時7分に着水し、乗員4人全員の無事が確認された。
Artemis IIは、NASAにとって約50年ぶりとなる有人月周回飛行だ。宇宙発射システム(SLS)とオリオンによる初の有人試験飛行でもあり、乗員は地球から約25万2760マイルまで飛行した。NASAは、有人飛行として最遠距離に到達したとしている。
乗員は月を周回し、これまで詳細に観測されていなかった月面の一部を撮影したほか、皆既日食も観測した。さらに新たなクレーターを確認し、そのうち1つを2020年にがんで亡くなったワイズマンの妻キャロルにちなみ命名した。
ジャレッド・アイザックマン NASA長官は着水後、今回の任務を「完璧なミッション」と評価した。SLSとオリオンによる初の有人試験飛行であり、これまでより遠方の宇宙空間に踏み込んだ任務だったと説明。米国は再び宇宙飛行士を月に送り、無事に帰還させる段階に入ったと強調した。
NASAは今回の試験飛行を通じ、実運用に近い条件で有人月飛行能力を検証した。今回のミッションは、月面再訪や月面基地建設、さらにその先の計画につながる一連の探査計画の出発点と位置付けられる。
著者について