CoinDeskが10日に報じたところによると、XRPは公開鍵の露出範囲が限られ、さらに資金を移さず署名鍵を更新できる仕組みを持つことから、量子コンピュータに伴うリスクへの耐性でBitcoinを上回る可能性があるという。
ブロックチェーンでは一般に、資産を受け取る段階ではアドレスのみがオンチェーンに記録され、送金時に初めて公開鍵がネットワーク上に現れる。このため、量子リスクの大きさは残高や保有期間よりも、そのアカウントが実際に送金に使われたことがあるかどうかに左右される。
XRPLのバリデーターであるベットは、約30万件のXRPアカウントが合計24億XRPを保有したまま、一度も送金していないと明らかにした。これらのアカウントは受け取りにしか使われておらず、公開鍵がネットワーク上に露出していないため、量子リスクにさらされにくいとみられる。
一方で、過去の取引によって公開鍵が露出した後、長期間動いていない「クジラ」アカウントは脆弱になり得る。ベットは該当するアカウントを2件確認しており、保有XRPは計2100万XRPだった。流通量の0.03%に相当するという。
XRPLでは、資金を移動させずに署名鍵を変更できる点も特徴だ。アカウント所有者が現在も管理可能な状態にあれば、既存アカウントを維持したまま鍵を更新し、リスクを下げられる。
これに対し、鍵を紛失した場合や、所有者の死亡などで管理されていない休眠アカウントでは、こうした対応は難しい。
Bitcoinについては、構造上、より広い範囲が量子リスクにさらされているとの指摘がある。初期のBitcoinの相当数はP2PK形式でマイニングされており、この方式では送金していなくてもトランザクション出力に公開鍵が直接記録される。サトシ・ナカモトが保有するとされる100万BTCもこれに含まれるという。
量子脆弱となる可能性がある休眠Bitcoinは、230万BTCから最大780万BTCと推計された。流通量の11〜37%に相当する。
BitcoinにはXRPLのような鍵更新機能がなく、公開鍵が露出していない新しいアドレスへ資金を移すことが、事実上の主な対策とされる。ただ、その移動時には取引が約10分間メモリプールに滞留するため、既存アドレスの公開鍵が露出する可能性がある。
もっとも、このリスクは現時点では理論上の段階にとどまる。CoinDeskは、Bitcoin開発者が量子耐性の強化に向けた複数の提案をすでに示していると伝えた。