扇風機に求められる役割が変わってきた。いまや単に風を送るだけでなく、空気循環性能や静音性、省エネ性まで含めて選ばれる時代だ。Shinilのサーキュレーター扇風機「SIF-14PNT」は、そうした需要を意識した1台といえる。
同製品は、BLDCモーターに加え、上下左右に風を送る3D首振り、温度センサーと連動するECOモードを搭載する。今回は実際に使いながら、送風性能や使い勝手を確認した。
同梱物は本体、スタンドポール、円形ベース、マグネット式リモコン。組み立てはポールをベースに固定し、ヘッドを取り付けるだけで完了する。作業時間はおよそ5分だった。
本体の高さは880〜1080mmで、2cm刻みの10段階調整に対応する。ソファに座った状態から立った状態まで、使用シーンに応じて高さを合わせやすい。
駆動部にはブラシレスDCモーターを採用した。一般的なACモーター搭載機に比べて、静音性や耐久性、省エネ性を訴求する構成だ。5時間連続で運転した後にモーターハウジングに触れてみたが、熱を持ちすぎる印象はなく、発熱は比較的抑えられていた。
消費電力は35W。メーカーによれば、同等クラスの風量をうたうACモーター扇風機より電力負担を抑えられるという。
大きな特徴の1つが3D首振り機能だ。左右120度、上下105度(下向き15度、上向き90度)の可動域を持ち、部屋全体に立体的に風を送れる。左右の首振り角度は30度、60度、120度の3段階で切り替え可能。1人で使うときは狭い範囲に絞り、複数人で使うときは広範囲に送風する、といった使い分けがしやすかった。
電源オフ時にヘッドが正面へ戻る機能も備える。再度電源を入れたときに意図しない方向へ風が向くのを防げる点は、日常使用では便利だ。
最大到達距離は15m。約12坪のリビングで壁に向けて運転したところ、反対側のソファにいても空気の流れを感じ取れた。エアコンと併用すると、冷気を部屋全体に拡散しやすく、体感温度のムラも抑えやすい。エアコン設定温度を1〜2度上げても体感差が小さければ、電気代の節約にもつながりそうだ。
実使用で特に便利だったのはECOモードである。本体下部の温度センサーが周囲の温度を検知し、風量を自動で調整する。19度では停止し、32度以上では12段階の最大風量で動作する仕様だ。室温の変化に応じて自動で運転を切り替えるため、季節の変わり目や換気の多い環境でも扱いやすい。
風量モードは自然風と睡眠風も用意する。睡眠風は30分ごとに風を徐々に弱めながら運転し、就寝時に使いやすい設定だ。自然風は6秒間隔で風量が変化し、一定風よりもやわらかい当たり方になる。睡眠風を継続して使ってみると、朝方に体が冷えすぎる感覚は比較的少なかった。
付属のリモコンはマグネット式で、金属製のスタンドポールに取り付けられる。置き場所に困りにくく、ソファやベッドのそばでも扱いやすい。LEDコントロールパネルは明るさ調整に対応しており、就寝時のまぶしさも軽減できる。タイマーは30分単位で最大8時間まで設定可能で、オンタイマーとオフタイマーの両方に対応する。
一方で気になった点もある。7枚羽根と目の細かいグリル構造により、風を集中的に送りやすい半面、掃除の際はグリルの隙間にたまったほこりを取りにくい。また、風量を最大の12段にすると、サーキュレーターらしい鋭めの風切り音が出る。就寝中に使うなら、風量は6段以下のほうが快適だろう。
価格は17万9000ウォン。BLDCモーター、3D首振り、ECOモードを備えたサーキュレーター扇風機として見ると、機能と価格のバランスは悪くない。省エネ性や耐久性を重視するユーザーにとって、有力な選択肢になりそうだ。
【主な仕様】
製品名:Shinil サーキュレーター扇風機
型番:SIF-14PNT
電源:220V、60Hz
消費電力:35W
本体サイズ:380×380×880〜1080mm
主な機能:7枚羽根(35cm)、8時間タイマー、マグネット式リモコン、12段階風量、自然風、睡眠風、ECOモード
製造国:中国
※本レビューは、ターゲットピック・モールから製品提供を受けて作成した。