画像=Shutterstock

Ethereumは2168ドル近辺で下値を探る展開となっている。Ethereum FoundationによるETH売却、米国の現物ETFからの資金流出、クジラの保有減少がこの48時間に重なり、短期的な需給悪化が意識されている。

ブロックチェーンメディアのBeInCryptoによると、9日のEthereumは2181ドル前後で取引された。主要なフィボナッチのサポート水準とされる2168ドルを0.5%上回る水準で推移した。

足元では、テクニカル面での反発期待と構造的な売り圧力がせめぎ合っている。Ethereumは2月末以降、日足ベースでシンメトリカルトライアングル内の推移が続く。

直近では上限のトレンドライン突破を試したものの、戻り売りに押されて持ち合いの中段まで押し戻された。現時点で三角持ち合いからの明確な離脱は確認されておらず、上放れも実現していない。

移動平均線にはなお反発余地が残る。20日指数移動平均線(EMA)は2114ドル、50日線は2151ドルに位置し、両者の差は縮小している。

20日線が50日線を上抜ければ、短期的にゴールデンクロス形成につながる可能性がある。ただ、ここで反発が失速すれば、弱気地合いが一段と強まる公算が大きい。

売り材料は3つ重なった。まずEthereum Foundationは、CoW Protocolの分散型自律組織(DAO)が提供する時間加重平均注文(TWAP)機能を通じ、5000ETHをステーブルコインへ交換する方針を明らかにした。

同財団は、資金を研究開発、助成金、寄付に充てるとしている。オンチェーン分析アカウントのLookonchainによると、このうち3750ETH(約830万ドル、約12億4500万円)は平均2214ドルで既に売却された。残る1250ETHも追加で交換される可能性がある。

財団側は通常の資金運用との位置付けを示したが、市場ではプロジェクトを支える主体によるまとまった売却を弱気材料と受け止める向きが強い。使途とは別に、短期需給の重石になったとの見方だ。

機関投資家マネーの流れも鈍った。米国のEthereum現物ETFには6日に3万8769ETHが流入したが、翌7日には2万4311ETHが流出した。前日の流入分の多くを1日で打ち消した格好だ。

現物ETF需要の継続期待が後退し、相場の下支え要因も弱まった。

クジラの動きも同方向だった。Santimentのデータによると、取引所外の大口保有者が保有するEthereumは、8日ごろの約1億2300万ETHから1億2293万ETH程度へ減少した。金額換算では約1億5300万ドル(約229億5000万円)に相当する。

絶対額としては限定的だが、財団売却とETF流出のタイミングに重なったことで、市場心理には重荷となった。

市場では2168ドルが目先の分岐点とみられている。Ethereumは取引時間中に一時この水準を下回ったが、その後は買い戻しで回復した。市場参加者が同水準を当面の下値支持として意識していることを示している。

もっとも、20日線と50日線のゴールデンクロスはまだ確認されていない。財団には追加で1250ETHを交換する余地も残っており、再び下値を試す局面では維持が難しくなる可能性もある。

2168ドルを終値ベースで明確に割り込めば、次のサポートは2102ドル、その下は2049ドルが意識される。さらに1995ドルを下回れば、シンメトリカルトライアングル下限のトレンドラインが直接試され、1823ドル方向への下放れリスクも高まりうる。

一方、2168ドルを維持したまま2274ドル方向へ戻せれば、上限トレンドラインの再テストや移動平均線のクロス確認に向かう可能性も残る。ただ現時点では、財団、現物ETF、クジラの3者が同じ48時間内に保有や資金を減らしており、新たな需要を呼び込む材料は見当たらない。

このため短期的には、上昇再開を見込む局面というより、まずは下値維持が優先される局面といえそうだ。

キーワード

#Ethereum #Ethereum Foundation #現物ETF #TWAP #EMA #DAO #ステーブルコイン #クジラ
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.