米連邦準備制度理事会(FRB)

米連邦準備制度理事会(FRB)は3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を3.5〜3.75%に据え置いた。年内の利下げ余地は残したものの、同日公表された3月17〜18日会合の議事要旨では、インフレの動向次第で利上げの可能性も排除していないことが示された。ブロックチェーンメディアのCointelegraphが9日(現地時間)に報じた。

会合では11対1で据え置きを決定した。焦点となったのは、今後の金利経路を巡る委員間の温度差だ。大勢の委員は、インフレが想定通り鈍化すれば利下げが適切になる可能性が高いとみている。議事要旨には、多くの参加者が「物価が想定された経路に沿って低下すれば、時間の経過とともに政策金利の目標レンジを引き下げることが適切になる可能性が高い」と判断したと記された。

一方、FRB内の見方が一方向に傾いているわけではない。複数の委員は、政策判断の選択肢を上下両方向に残しておく必要があると指摘した。議事要旨は、一部の参加者が「インフレが目標水準を上回った状態が続く場合、政策金利の目標レンジを引き上げることが適切になり得る」との認識を示したと明記している。

今回の議論では、中東情勢が重要な不確実要因として浮上した。委員らは、追加的な衝突が米国経済に及ぼす影響を慎重に見極める必要があるとみていた。会合としては年内利下げの可能性を完全には閉ざさなかったものの、中東情勢の影響を評価するにはなお早いとの認識でおおむね一致した。議事要旨でも、「中東情勢の展開が米国経済にどのような影響を与えるかを判断するには時期尚早だ」との見方が共有された。

暗号資産市場では、利下げ期待は一般に追い風と受け止められやすい。市場流動性の拡大や、リスク資産への選好が強まりやすいためだ。FRBは昨年12月以降、政策金利の目標レンジを25ベーシスポイント(bp)引き下げている。今回の議事要旨は、年内利下げ観測を完全には打ち消さなかった一方で、物価再加速のリスクを踏まえて利上げの選択肢も残しており、市場には相反するシグナルを送った格好だ。

雇用市場への懸念も示された。複数の委員は、雇用の純増ペースが鈍い局面では、労働市場がショックに対して脆弱になり得るとみている。議事要旨には、「現在のように雇用の純増ペースが低い状況では、労働市場は負のショックに対して脆弱に見える」との評価が盛り込まれた。今後の金利判断では、物価動向に加えて雇用減速の可能性も重要な材料となりそうだ。

市場では、大幅な政策転換よりも現状維持を見込む向きが強い。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループのFedWatchツールによると、年末の12月8日会合で政策金利が3.5〜3.75%に据え置かれる確率は75.6%だった。利下げの確率は20.4%、利上げの確率は2.4%となっている。

次回のFOMCは4月28〜29日に開かれる。FRBは中東情勢の拡大の有無に加え、インフレ鈍化のペースや労働市場への下押しリスクを見極めながら、今後の金利の方向性を改めて探る見通しだ。暗号資産市場でも、年内の利下げ観測が実際の政策シグナルにつながるかどうかに関心が集まっている。

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