XRP(写真=Shutterstock)

XRPの供給量の大半は、理論上の量子攻撃リスクに大きくさらされていない可能性があることが分かった。ブロックチェーンメディアのCryptopolitanが9日(現地時間)に報じた。公開鍵がオンチェーン上で露出していない約30万件のXRP口座が、計24億XRPを保有しているという。

量子攻撃の成否を左右する主な要素の一つが、公開鍵の露出状況だ。報道によると、取引履歴のない口座では公開鍵が外部から確認できず、攻撃に必要な手掛かりが得られない。このため、追加のツールや大規模なアップグレードがなくても、一定の保護状態を維持できるとみられている。

量子リスクの対象範囲も限定的との見方が示された。XRP全供給量のうち、量子攻撃リスクにさらされるのは約0.03%にとどまるとの試算が出ている。公開鍵が露出した休眠状態の大口口座は2件のみで、保有量は計2100万XRPにすぎないという。

こうした構造的な強みに加え、XRP Ledger(XRPL)は量子耐性に向けた技術対応も進めている。資産運用会社Grayscaleは最近のリポートで、XRPLの事前対応に言及した。

開発者はテスト環境「AlphaNet」で、米国立標準技術研究所(NIST)が承認したアルゴリズム「ML-DSA」の検証を進めている。実ネットワークに影響を与えずに鍵の切り替えや量子耐性のある取引を実現するアップグレードを検討しているという。

XRPLはすでに鍵ローテーション機能をサポートしており、ユーザーはウォレットアドレスを変更せずに署名鍵を差し替えられる。既存の暗号方式と量子耐性暗号を組み合わせるハイブリッド方式が導入されれば、新たな署名方式を検証しながら、セキュリティを損なわず移行できる可能性がある。

AlphaNetでは、量子対応口座や量子対応取引、量子対応コンセンサス機能も検証対象となっている。資産保管、不正アクセス防止、バリデーター間の安全な通信などを含め、実装面での検証を進めているもようだ。

一方で、量子耐性署名の導入にはコスト面の課題も残る。署名サイズは従来方式の約40倍に達し、保存容量をより多く消費するうえ、処理速度の低下も招く。ただ、エンジニアの間では、処理性能は今後の改善余地が大きく、将来的に既存方式に近づく可能性があるとの見方も出ている。

市場では、こうしたセキュリティ面の備えが買い材料として意識されている。報道によると、大口投資家はネットワークの量子耐性対応を確認した後、1日当たり1100万XRP超を買い進めているという。

XRP価格が1.34ドル(約201円)前後で安定し、売り圧力が弱まるなか、大口投資家は取引所に置いていたXRPを個人ウォレットへ移す動きも見せているとされた。時価総額は約840億ドル(約12兆6000億円)で、取引量も大幅に増加したという。

ネットワーク全体では、約770万件の口座のうち休眠口座は110万件にとどまり、その大半は10〜20XRPを保有する小口口座だった。

今回の試算は、XRPでは公開鍵が露出していない口座の比率が高く、現時点での量子リスクが限定的である可能性を示した形だ。あわせてXRPLでは、鍵ローテーションやML-DSAの検証を通じて、中長期の量子耐性強化に向けた準備が進んでいる。

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