ブータンのBitcoin保有縮小が続いている。写真=Shutterstock

ブータンの政府系ウォレットから、Bitcoin 319BTCの移転が新たに確認された。昨年10月末以降の流出は累計9000BTCを超えており、同国の保有残高は昨年末比で約70%減った。

Cointelegraphが9日(現地時間)に報じたところによると、今回移転した319BTCの規模は約2268万ドル(約34億円)。昨年10月末以降の累計流出量は9000BTCを上回った。

オンチェーン分析企業Arkhamは、ブータン王立政府と国営投資機関Druk Holding & Investmentsに関連するウォレットとして追跡している。これらのウォレットではここ数カ月、Bitcoinの移転が継続しており、3月だけでも1667BTC超の移動が確認された。

これにより、ブータンのBitcoin保有残高は昨年末時点の約1万3000BTCから、4月時点では3654BTCへ縮小した。減少率は約70%に達する。

それでも、公開情報ベースで追跡可能な各国の保有主体の中では、ブータンは米国、英国、エルサルバドル、アラブ首長国連邦に次ぐ5位を維持している。

今回の資金移転について、ブータン政府は公式見解を示していない。外部から確認できるのは、政府およびDruk Holding & Investmentsに関連付けられたウォレットのラベルや取引パターンに基づく情報に限られる。

ブータンのBitcoin保有分の相当部分は、国家主導の採掘で積み上がったとみられる。同国は水力発電を活用してデータセンターを運営してきたほか、当局はこれを環境負荷に配慮したBitcoin経済の一環と位置付けてきた。電力販売に加え、輸出収入源の多角化にもつながるとしている。

また、ブータンは余剰の無炭素水力を使って高性能コンピューティング設備を稼働させ、採掘したBitcoinを流動性の高いデジタル輸出品へ転換する戦略を進めてきた。同時に、大企業が環境・社会・ガバナンス(ESG)目標を満たす手段として、ブータン由来の環境負荷の低いBitcoinを購入できるかどうかも検討してきた。

こうした動きは、昨年12月に公表された国家レベルのBitcoin開発計画とも重なる。ブータンは当時、ゲレプ・マインドフルネス・シティ特別行政区域の長期開発を支援するため、最大1万BTCを投じる「Bitcoin開発誓約」を打ち出した。発表時点の規模は約10億ドル(約1500億円)だった。

当局は活用方法として、Bitcoinを担保に使う案や、低リスクの利回り商品への投資、長期保有などを挙げていた。新たな経済拠点をデジタル資産と持続可能金融の中心地として育成する戦略の一環と位置付けていた。

今回の移転が単なるウォレット再編なのか、実際の売却に向けた措置なのかはなお不明だ。ただ、昨年10月末以降に大規模な流出が続いていることから、ブータンが国家保有Bitcoinの運用戦略を見直している兆候と受け止める向きもある。今後の焦点は、追加のウォレット移転があるかどうかと、ゲレプ特別行政区域の開発計画にBitcoinが実際にどう活用されるかに移る。

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