中央集権型取引所(CEX)の暗号資産取引量が、2025年10月のピーク時からほぼ半減した。現物取引の縮小が続く一方で、売買の中心は無期限先物などのデリバティブへシフトしており、Binanceは現物・デリバティブの両市場で首位を維持している。
ブロックチェーンメディアのCryptopolitanが9日、CryptoQuantのデータを基に報じたところによると、CEX全体の取引量は8兆ドル超から4兆3000億ドル(約645兆円)に減少した。
取引低迷の局面でも、市場構造は大きく変化している。主要CEXの無期限先物取引高は3兆5000億ドル(約525兆円)に達し、CEX全体の現物取引高の約4倍となった。無期限先物はCEX取引全体の7割超を占めている。
市場参加者の顔ぶれにも変化が見られる。CryptoQuantは、現在の暗号資産取引の大半をデリバティブトレーダーが占めていると分析した。先物、無期限スワップ、オプションへの選好が強まり、高度な取引戦略を担う参加者の比重が高まっているという。機関投資家とプロトレーダーは、2025年のデリバティブ取引総額4兆3000億ドルのうち3兆5000億ドルを占め、市場を主導した。
取引量の減少傾向は年初以降も続いている。無期限先物取引高は1月の3兆6700億ドルから2月に3兆5700億ドルへ縮小した。現物取引高も1月の1兆1000億ドルから2月に1兆0100億ドルへ減少し、3月には8184億5000万ドルまで落ち込んだ。3月のCEX現物取引高は1兆ドルを下回った。
取引所別では、Binanceの優位が続いた。Binanceの3月の現物取引高は2480億ドル(約37兆2000億円)で、シェアは37%から3月に約32%へ低下したものの、年初来の現物取引高は1兆ドルに迫った。MEXCは770億ドル(約11兆5500億円)で9%、Bybitは590億ドル(約8兆8500億円)で7%。GateとCrypto.comはそれぞれ560億ドル(約8兆4000億円)、520億ドル(約7兆8000億円)だった。
デリバティブ市場でもBinanceが首位を守った。Binanceの3月の無期限先物取引高は1兆4000億ドル(約210兆円)。これにOKX、Bybit、Bitget、Coinbase Internationalがそれぞれ7000億ドル(約105兆円)、5000億ドル(約75兆円)、3000億ドル(約45兆円)、2000億ドル(約30兆円)で続いた。年初来の無期限先物取引高では、Binanceが4兆5000億ドル超(約675兆円)で4割を占め、OKXは19%、Bybitは13%だった。
もっとも、取引量の急減が直ちに約定品質の悪化につながったわけではない。CryptoRankの予備データによると、流動性の低い一部アルトコインではスプレッドがやや拡大した一方、ビットコインやイーサリアムなど主要取引ペアは、出来高が低い局面でも安定した約定品質を維持した。流動性提供者向けのインセンティブも、低出来高環境で狭いスプレッドを維持する方向に調整されている。