科学技術情報通信部は9日、ソウルの韓国科学技術会館で、ペ・ギョンフン副首相兼科学技術情報通信部長官がSK Telecom、KT、LG Uplusの代表と会談し、通信業界の信頼回復に向けた情報セキュリティ強化や、基本通信権関連施策、AI時代を見据えたネットワーク投資の拡大について協議したと発表した。
ペ副首相の就任後、通信3社トップとの会談は今回が初めて。出席したのは、チョン・ジェホンSK Telecom代表、パク・ユンヨンKT代表、ホン・ボムシクLG Uplus代表の3氏。
会談では、相次ぐハッキングや情報流出を受けたセキュリティ対策の強化が中心議題となった。科学技術情報通信部は、業界全体で事故が続いたことで国民の不安が高まっているとして、再発防止に向けた抜本的な対応を求めた。
昨年上半期にはSK TelecomでUSIMを巡るハッキング事案が発生し、下半期にはKTで少額決済の不正利用事故が起きた。最近ではLG Uplusも、加入者識別番号(IMSI)の漏えいを巡る問題が取り沙汰されている。
ペ副首相は冒頭発言で、「昨年のハッキング事案を通じ、通信会社の責任と役割は一段と明確になった」と指摘。そのうえで、「反省にとどまらず、国民が変化を実感できる水準の刷新で応えるべきだ」と強調した。
さらに、「全国民の基本通信権を保障するなど民生に寄与すると同時に、積極的な投資を通じてAI基盤社会を主導しなければならない」と述べた。
科学技術情報通信部は会談で、情報セキュリティの重要性を改めて強調し、セキュリティ体制を根本から見直すレベルの対応を要請した。来年4月施行のデジタル包摂法を踏まえ、侵害事故発生時にデジタル弱者を支援する相談体制や、被害申告の受け付け体制の整備でも協力を求めた。
3社はそろって、セキュリティ強化と安全なネットワーク環境の構築に取り組む方針を示した。
チョン・ジェホンSK Telecom代表は、「新たな姿を示し、急速に変化する時代を通信3社が先導できるよう努める」としたうえで、「AIインフラ産業にも持てる力を注ぐ」と述べた。
パク・ユンヨンKT代表は、「就任後、まず情報セキュリティとネットワークの現場を訪れ、対応体制を点検した」と説明。「安全なネットワークはKTの存在理由であり、妥協できない根本価値だ。基礎を立て直し、信頼回復に全力を尽くす」と語った。
ホン・ボムシクLG Uplus代表は、「セキュリティと品質、安全を最優先に置く」とし、「特にセキュリティは基礎から徹底的に点検し、顧客が安心して利用できる環境を整える」と述べた。
また3社は、政府が進める基本通信権関連施策にも積極的に協力する方針を確認した。高齢者向けの音声・文字サービスの拡充や、2万ウォン台の5G料金プランを含む統合料金プランの早期投入を進める。
このほか、地下鉄Wi-Fiの高度化(LTEから5Gへの転換)や、高速鉄道での通信品質改善など、公共交通環境におけるサービス品質向上も主要課題として示した。通信各社のプラットフォームを活用し、独自AIモデルを基盤とする対国民サービスの開発で協力する案も議論した。
科学技術情報通信部は、災害対応の通信体制強化に向け、商用網を活用して消防庁の緊急救助通信を優先処理するサービスの導入を進める方針だ。ペ副首相はこのための3社協力を求める一方、AIネットワーク分野での先端技術確保に向け、研究開発と大規模実証事業を積極的に支援する考えも示した。
さらに、AIデータ投資に加え、AIハイウェイ構想の基盤となる次世代通信ネットワークへの投資拡大も要請した。あわせて、最近の中東情勢の変化に伴う原材料の需給やサプライチェーンの不安定化リスクを点検し、通信サービスの提供に支障が出ないよう万全の対応を取るよう促した。
会談後、3社は主要な協議内容を盛り込んだ共同宣言文を公表した。信頼できるセキュリティ体制の強化に加え、利用者が実感できる通信サービスの利便性向上、AIネットワーク投資の拡大に注力する方針を打ち出した。
3社は共同宣言で、「宣言内容を誠実に履行し、国民の日常に安心を加え、民生をより豊かにし、未来に新たな機会をもたらすことを約束する」とした。
科学技術情報通信部は今後、四半期ごとに通信3社とのCEO協議体を運営する。各社の最高情報保護責任者が議論した内容を踏まえ、情報保護対策を継続的に共有していく。
ペ副首相は「一過性の議論に終わらせないよう会合を定例化し、国民が実感できる成果を着実に実行できるよう官民連携を強化する」と述べた。そのうえで、「通信産業が民生安定とAI時代におけるグローバルリーダーシップ強化に寄与する中核的な役割を果たすことを期待する」と語った。