Mplusは4月9日、全固体電池向け製造装置事業を電極工程まで拡大し、前工程をターンキーで供給できる体制を整えたと発表した。電極工程の主要なボトルネック工程向け装置の開発を完了し、パイロット案件の受注にも成功したという。
今回開発した装置は、量産工程でボトルネックとなる区間の解消を狙ったもの。これまではWIP(等温加圧プロセス)装置が、実証済みの工程装置として位置付けられていた。
これに対しMplusは、新たな選択肢となる面圧プレス装置とロールプレス装置を自社開発した。電池メーカーは工程特性や量産規模に応じて、3種類の装置から選択できるようになるとしている。
電極工程向けでは、乾式コーターも開発を進めている。乾式電極工程は、溶媒を使わず活物質を電極表面に直接塗布する方式で、従来の湿式工程に比べてエネルギー効率が高く、環境負荷も抑えられる次世代の製造技術とされる。
Mplusは、乾式コーターを加えることで、電極工程向け装置のフルラインアップをそろえる方針だ。
同社はすでに、パウチ型、角型、全固体電池など各種形式に対応した組立前工程装置の製造技術を保有している。今回、電極工程向け装置をラインアップに加えたことで、全固体電池生産の前工程をターンキーで供給できるようになったと説明した。
パイロットラインの構築から量産移行までを、単一ベンダーとして支援する体制を整えたとしている。
全固体電池は、液体電解質を固体に置き換えることで発火リスクをなくし、エネルギー密度と充電速度を高めた次世代電池。ESSやロボット、電気自動車など幅広い産業分野で需要拡大が見込まれており、製造装置市場も成長している。
Mplusの関係者は「先行的な技術開発とパイロット案件の受注実績を基盤に、全固体電池装置市場で先行優位の確保を目指す」とコメントした。さらに「すでに複数のグローバル全固体電池メーカーのパイロットライン向けに装置の供給を完了しており、量産段階への移行時には大規模な追加受注につながると期待している」としている。