Ubuntu 26.04 LTSで、最小メモリ要件が従来の4GBから6GBに引き上げられた。旧型PCでは要件を満たしにくくなる一方、見直しはOSそのものの急激な肥大化というより、足元の利用環境を踏まえたものと受け止められている。
米ITメディアのTechRadarが現地時間8日に報じたところによると、Canonicalはこの要件変更を個別に告知せずに反映した。新たな最小要件には、2GHzのデュアルコアCPUと25GBのストレージ容量も含まれる。
今回の見直しは、メモリの供給逼迫と価格上昇が続く局面と重なったことで注目を集めている。TechRadarはこの状況を「RAMpocalypse」と表現し、世界的な需給の不安定化がPCの自作やアップグレードにかかる費用を押し上げていると伝えた。4GBメモリの旧型PCでUbuntu LTSを運用してきたユーザーにとっては、負担増につながる可能性がある。
一方、最小要件の引き上げが、そのままOS自体の急激な肥大化を意味するわけではないとの見方も出ている。Ubuntu専門メディアのOMG! Ubuntu!は、今回の変更を「正直な引き上げ」と評価した。
OSコアの要求仕様が大幅に増したというより、現在の利用環境では4GBメモリでは快適な操作感を維持しにくいという実情を、最小要件に反映した形だという。
背景として挙げられているのは、GNOMEデスクトップ環境に加え、最新のWebブラウザやマルチタスク利用の広がりだ。こうした条件下では、4GBのシステムは日常利用でも余裕を欠くとの指摘がある。
Ubuntu 26.04 LTSは、要件未満の環境でもインストール自体は可能とされる。ただ、メモリが不足していれば、動作の遅さは避けにくい。OMG! Ubuntu!によると、2GB RAMのノートPCでベータ版を試したところ、起動はできたものの、動作は体感できるほど遅かったという。
Ubuntuで最小メモリ要件が引き上げられるのは今回が初めてではない。2018年のUbuntu 18.04 LTSでは、最小メモリが1GBから4GBに見直されており、今回は約8年ぶりの変更となる。
低スペック環境向けの選択肢もある。Ubuntu系の軽量ディストリビューションであるLubuntuは、1GB RAM、1GHz CPU、10GB未満のストレージでも動作可能とされる。現時点では24.04 LTSまで提供されており、今後数年間はサポートが続く見通しだ。
今回の見直しは、特定OSだけの問題というより、ソフトウェア利用環境全体の変化を映したものといえる。Webブラウザやデスクトップ環境の高機能化、同時作業の増加によって、最小要件そのものが切り上がっているためだ。旧型ハードウェアの利用者は、性能低下を受け入れて使い続けるか、より軽量なディストリビューションへの移行を検討する局面にある。