Microsoft(写真=Shutterstock)

Microsoftで開発者ツール部門を率いるジュリア・リウソン氏が6月に退任し、顧問に就く。生成AIを軸に同社が開発ツール戦略と組織体制の見直しを進める中での人事となる。

米CNBCが4月8日(現地時間)に報じたところによると、リウソン氏は社内メモで従業員に対し、6月に退任した後は顧問として関わると通知した。リウソン氏は1992年にMicrosoftへ入社。サティア・ナデラCEOと同年入社の古参幹部で、2021年から開発者部門のプレジデントを務めてきた。

今回の退任は、Microsoftが生成AIを軸に開発ツール戦略を再編するタイミングと重なる。同社はOpenAIやAnthropicとの協業を通じて外部AIモデルを開発ツールに取り込む一方、自社モデルの開発も並行して進めている。サードパーティーの開発者がアプリやWebサービスを構築する一連の工程に、AIを中核機能として組み込む狙いだ。

リウソン氏は退任まで組織改編にも引き続き関わる。社内メモでは、組織をよりフラットにするとともに、「AI優先」の運営体制を強化し、定型業務の削減に向けた変革を進める方針を示した。ジェイ・パリク氏とともに構造改革を進める予定という。

Microsoft社内では、開発者組織の位置付けも変わりつつある。ナデラ氏は昨年、リウソン氏のチームを、パリク氏が率いる「CoreAI Platform and Tools」グループに編入すると明らかにしていた。パリク氏は2024年に入社した元Metaの幹部で、現在はリウソン氏の上司にあたる。

開発者ツール事業は、MicrosoftのAI収益化戦略の柱の一つでもある。ナデラ氏は1月、コード生成ツール「GitHub Copilot」の有料ユーザー数が470万人に達したと公表した。前年から75%増えたという。

一方で、生成AIベースのコーディング支援ツールを手がける新興勢力の台頭も目立つ。コード作成支援サービスで急成長したCursorは、2月時点の年換算売上高が20億ドルを超えたと報じられている。

リウソン氏は、Microsoftの開発者ツールの歴史とともに歩んできた人物でもある。入社当初は「Access」のデータベース開発者として勤務し、その後は主力開発環境「Visual Studio」の初期バージョン開発にも参加した。Microsoftで開発部門のコーポレート・バイスプレジデントに就いた初の女性としても知られる。

開発者組織では人事の動きが続いている。昨年8月には、Microsoftが2018年に買収したGitHubのCEO、トーマス・ドームケ氏が退任の意向を示していた。当時、パリク氏はGitHubの主要幹部がリウソン氏に報告する体制へ改めると伝えていた。

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