Ethereum Foundation(EF)は、運営費や助成金の原資を確保するため、約5000ETHをステーブルコインに段階的に転換する。CoWSwapの時間加重平均価格(TWAP)機能を活用し、約1100万ドル相当を分割して売却する方針だ。
ブロックチェーンメディアのThe Blockが8日(現地時間)に報じた。TWAPは一定期間の平均価格に沿って注文を分割執行する手法で、大口売却による市場への影響を抑えやすい。
今回の措置は、研究開発(R&D)や助成金プログラム、エコシステム支援に充てる資金を確保するための定例的な資産運用の一環とみられる。EFは5000ETHを一括で処分せず、市場への影響を抑えながら段階的にステーブルコインへ振り替える。
EFがTWAPを使ってETHを売却するのは、2025年10月以来となる。当時は1000ETHを売却しており、EFによる初のTWAP活用事例として知られている。これまでCoWSwap経由のTWAP取引は100万ドル前後の規模で実行されるケースが多く、関連資金は「Ethereum Foundation DeFi Ecosystem」に分類されたウォレットから拠出されていた。
今回の動きは、EFの資金運用戦略の変化とも重なる。EFはこれまで運営費を賄うためにETHを随時売却してきたが、継続的な売却が市場への売り圧力になるとの批判もあった。このため、EFは組織再編とあわせて直接売却を減らす方針を打ち出し、DeFi運用やステーキングによる収益確保を並行して進めてきた。
実際、EFは2025年1月、DeFiエコシステム用のウォレットに5万ETHを移した。今月初めには、目標としている7万ETHのうち約4万7050ETHをステーキングしたと公表している。単純な売却依存から離れ、運用収益の多角化へ軸足を移しつつある格好だ。
相対取引(OTC)も併用している。EFは3月、約1020万ドル相当の5000ETHをBitMine Immersion Technologiesに売却した。財務戦略の一環としてETHを取得する企業向けでは2件目のOTC売却となる。2025年7月にはSharpLink Gamingに1万ETHを売却していた。
保有資産の規模もなお大きい。Arkhamの集計によると、EFのメインウォレットには約10万2000ETH、2万1000AETHWETH、6000WETHが保管されている。評価額はそれぞれ約2億2800万ドル、4700万ドル、1400万ドル。このほか、DAIやUSDCなどのステーブルコインも約100万ドル相当を保有しているという。
一方、ヴィタリク・ブテリン氏も最近、数百万ドル規模のETHをステーブルコインに転換した。本人は、オープンソースプロジェクトを支援するための資金確保が目的だと説明している。財団とは別の動きではあるものの、Ethereumエコシステム全体でETHをステーブルコインに換え、対外支出の原資を確保する流れが続いている。
このほかEFは最近、グラント提供先のアドレスに約7万ドル相当のETHを送金した。ビーコンチェーンでのステーキング開始以降で初めて確認された一連の取引とされる。今後、EFが直接売却、OTC、ステーキング、DeFi運用をどう組み合わせて資金管理を進めるのか、市場関係者の関心を集めそうだ。