米ドル連動型のステーブルコイン「DAI」。画像=Reve AI

Ethereumネットワーク上のステーブルコイン流通額が1800億ドルに達し、過去最高を更新した。供給量ベースの市場シェアでも約60%を占め、現実資産(RWA)のトークン化分野でも優位を保っている。

Cointelegraphが8日(現地時間)に報じたところによると、暗号資産分析会社のToken Terminalは、Ethereumが現在、ステーブルコイン全体の供給量の60%を占めると推計した。供給量は3年前に比べ150%増えたという。

Token Terminalは、拡大の余地はなお大きいとみている。今後4年間で、全ネットワーク合計で約1兆7000億ドルがオンチェーン化される可能性があると試算した。

この流れが続けば、Ethereumは2030年までに8500億ドルの新規資金流入を取り込む可能性があるとしている。もっとも、これは同期間にEthereumへの資金流入が470%拡大することを前提とした試算だ。

Ethereumはステーブルコインにとどまらず、RWAのトークン化でも主導権を握る。BlackRock、JPモルガン、Amundiなどの主要金融機関は、Ethereumネットワーク上でトークン化ファンドを投入している。

ステーブルコイン市場全体も拡大が続く。全ネットワーク合計の供給量は1〜3月期に3150億ドルとなり、過去最大を記録した。

一方で、集計基準によって数値には差がある。RWA関連データを提供するRWA.xyzは、Ethereum上のステーブルコイン流通額を1680億ドルとしている。

それでもEthereumのシェアは56%と首位だ。さらに、Arbitrum、ZKsync Era、Baseなど、Ethereum仮想マシン(EVM)ベースのレイヤー2まで含めると、シェアは65%を上回るとの見方もある。

市場では、Ethereumのステーブルコイン支配力が足元の暗号資産相場の上昇とも連動しているとの見方が出ている。LVRG Researchのニック・ラック取締役は、Ethereumのステーブルコインとオンチェーン流動性の優位性が、「強いポジティブな心理と最近の暗号資産上昇を支えている」と述べた。

そのうえで、トークン化資産の拡大と機関投資家による採用が長期的な強気基調を支える一方、競合トークンの台頭、規制上の障壁、マクロ経済の変動が一段高の主な阻害要因になり得ると指摘した。

機関投資家の見方にも変化が出ている。JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOは年次の株主書簡で、「ブロックチェーンを基盤とする新たな競争相手が登場している」と指摘し、その対象としてステーブルコインやスマートコントラクト、その他のトークン化の形態に言及した。

JPモルガンは2025年12月、Ethereum上で初のトークン化マネー・マーケット・ファンド「MONY」を立ち上げている。

EthereumインフラのスタートアップであるEtherealizeはこの動きについて、「世界最大の銀行がすでにEthereum上で事業を展開しているにもかかわらず、CEOはなお速度が十分ではないと公に認めている」と指摘した。

そのうえで、機関投資家マネーが実際の金融商品を通じて流入し始めたことは、Ethereumの流動性基盤が一段と強化されつつあることを示しているとした。

今後の焦点の1つは、銀行部門の資金が実際にどの程度のペースでステーブルコインへ移るかだ。Standard Charteredは2025年末のリポートで、2028年までに1兆ドル超が銀行から流出し、ステーブルコインに流入する可能性があると予測した。

もう1つの焦点は、その資金がどのネットワークに定着するかにある。現時点では、強い流動性と機関投資家の採用を背景にEthereumが優位を維持しているが、競合チェーンの拡大や規制環境の変化はシェアを揺るがす要因になりそうだ。

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