Zcashの急騰でプライバシーコインへの関心が高まった。写真=Shutterstock

Zcash(ZEC)が急反発し、300ドル台を回復した。米国とイランを巡る2週間の停戦報道を受け、暗号資産市場でリスク選好が強まり、Monero(XMR)などプライバシーコインにも買いが広がった。ただ、市場では短期的な需給主導の上昇との見方も根強い。

ブロックチェーンメディアのCryptopolitanが8日(現地時間)に報じたところによると、Zcashは300ドルを上回って推移した。Bitcoin(BTC)が7万1000ドル近辺まで持ち直した流れと重なり、アルトコイン全般にも資金が向かった。

Zcashは直近の上昇局面で240ドルを上抜け、週間上昇率は28%を超えた。24時間の出来高は約8億ドルまで膨らみ、過去1カ月でも高水準となった。デリバティブ市場の未決済建玉(OI)も1日で26%増え、取引の中心はBinanceだった。

今回の反発について、市場では弱気地合いが続く中でも暗号資産市場に反転期待がくすぶっていることを示したとの受け止めが出ている。値動きの強い銘柄に資金が集中し、短期的な急騰につながった格好だ。ただ、未決済建玉の水準は2025年末のピークには届いていない。

足元の未決済建玉は3億8600万ドル。2025年11月の急騰局面と比べると、今回の建玉拡大は限定的にとどまっている。

上昇の持続性には慎重な見方もある。Zcashは2025年末のラリー局面でインフルエンサー主導の思惑買いが過熱したとの見方が出た後、大口保有者の一部売却をきっかけに大きく下落した経緯がある。

このため、今回の反発も構造的なトレンド転換ではなく、短期的な需給の偏りによる一時的な値動きにすぎない可能性があるとの指摘が出ている。

それでも、Zcashへの関心が完全に失われたわけではない。SNS上の話題量シェアを示すマインドシェアは0.5%となり、1日で25%増加した。

この数値は、他のアルトコインやトークンに比べてZcashへの注目度が相対的に高まっていることを示すものと受け止められている。プライバシーコインへの関心は短期的に過熱しやすい半面、なお市場に残っているという見方だ。

足元で焦点となっているのが、ショートスクイーズの可能性だ。一部のアナリストは、Zcashに対する懐疑的な見方が依然として残る中、今回の急騰がショートポジションの巻き戻しによって押し上げられた可能性があるとみている。

実際、直近24時間ではZcashで285万ドル相当のショートポジションの清算が発生した。未決済のショートポジションを踏まえると、330ドル近辺まで追加の清算が進む可能性がある一方、この水準が上値抵抗線として意識される可能性もある。

Zcashの上昇は、ほかのプライバシーコインにも波及した。Moneroは3%上昇して330ドルを上回り、時価総額の小さい関連銘柄にも買いが広がった。暗号資産市場全体の持ち直しが追い風となった。

ファンダメンタルズ面では、Zcashのシールド供給量の増加が目立つ。インフルエンサー主導のキャンペーンが一巡した後も増加基調が続き、現在は517万枚を超えて過去最高を更新した。

マイニング規模も、市場の変動とは別に過去最高水準に近い状態を維持している。

もっとも、オンチェーン指標の改善がそのまま価格上昇を保証するわけではない。足元のラリーが失速し、Zcashが再び弱気局面に戻る可能性も残る。

かつてZcashの材料視されたSolanaのDeFiでの活用も、Drift Protocolのハッキング後はSolana基盤のDeFi成長が鈍化し、勢いを欠いている。Zcashが短期的な投機資金による急騰にとどまらず、リスク選好局面で存在感を維持できるかが今後の焦点となる。

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