Morgan Stanleyのビットコイン現物ETF「MSBT」 写真=Shutterstock

Morgan Stanleyは8日(現地時間)、ビットコイン現物ETF「MSBT」の取引を開始した。経費率は0.14%で、BlackRockの主力商品「iShares Bitcoin Trust(IBIT)」の0.25%を下回る。流動性で先行するIBITに対し、Morgan Stanleyは低コストと自社の販売網をてこに資金流入を狙う。

CoinDeskによると、ビットコイン現物ETF市場ではこれまでIBITが主導権を握ってきた。こうした中、Morgan Stanleyは手数料の低さと資産管理ビジネスの顧客基盤を前面に打ち出し、競争に本格参入した格好だ。

MSBTの経費率は0.14%で、IBITを11ベーシスポイント下回る。差は大きくないものの、ビットコイン現物ETFは各商品ともビットコインを直接保有し、価格への連動を目指す点で共通している。このため投資家にとっては、コスト、流動性、アクセスのしやすさが主な比較材料となりやすい。なかでも手数料は、数少ない差別化要因の一つとみられている。

一方のIBITは、ローンチ以降、規模と売買の両面で先行している。運用資産は約550億ドル(約8兆2500億円)に達し、オプション市場を含めて高い流動性を持つ商品として定着している。こうした流動性の厚みは、短期間で追いつくのが難しいとの見方が多い。

Bloomberg IntelligenceのETFアナリスト、ジェームズ・セイファート氏は、MSBTの投入で実際に資金シフトが起きるかどうかは見極めが必要だと指摘した。IBITはETF市場とオプション市場の双方で流動性が高く、MSBTが近い将来に同水準で競争するのは容易ではないとの見方を示した。

ただ、Morgan Stanleyの参入が競争環境を変える可能性はある。同社は大規模な資産管理部門を抱え、フィナンシャル・アドバイザーが顧客の資産配分を一度の取引で見直せる体制を持つ。このため、新規の流入資金が既存商品ではなくMSBTに向かう余地があるとみられている。

ETF Storeの社長、ネイト・ジェラチ氏は、ETF市場では販売力が極めて重要だとしたうえで、大規模な資産管理ネットワークを持つMorgan Stanleyは注目に値すると述べた。ビットコイン現物ETFの中で最も低いコストを提示した点も、MSBTの追い風になるとの見方だ。IBITを11ベーシスポイント下回る経費率は、投資家だけでなくBlackRockにとっても無視しにくい差だと付け加えた。

今回のローンチは、ビットコイン現物ETF市場の競争軸が変わりつつあることも示している。市場立ち上がり当初は、大手運用会社への信頼感と豊富な流動性が資金流入を支えてきた。しかし、信頼性の高い新規参入が増えるにつれ、投資家のコスト意識は一段と高まりつつある。Morgan Stanleyの参入は、この流れを加速させる可能性がある。

市場では役割分担も進みそうだ。IBITは活発な売買需要を受け止める厚い流動性を強みに優位を維持し、MSBTのような新商品は低コストと強力な販売チャネルで差別化を図る構図だ。とりわけMorgan Stanleyの資産管理部門は数兆ドル規模の顧客資産を管理し、業界有数の助言ネットワークを持つ。投資家の直接売買よりも、アドバイス経由の資金移動が増えるほど影響力は強まりそうだ。

現時点でも市場のベンチマークはなおIBITといえる。ただ、手数料の引き下げ競争が続き、新商品がBlackRockの牙城に挑む中で、IBITの資金流入優位も持続力が問われる局面に入った。

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