オンライン販売では、配送スピードが購買判断を左右する要素になっている。Cafe24は、365日出荷に対応するフルフィルメントサービス「毎日配送」を通じて、週末の配送停滞を解消し、購入転換率や注文数の改善につなげている。
消費者は品質や価格だけでなく、「いつ届くか」も重視する。グローバルECのUX調査機関Baymard Instituteの分析によると、オンライン購買でカート放棄に至る要因のうち21%は「配送が遅すぎること」だった。「まだ購入の準備ができていない」「費用が高い」に次ぐ水準で、配送の重要性が改めて浮き彫りになっている。
こうした中、物流は単なるバックヤード業務ではなく、購買を後押しし再購入にもつなげる競争力の一部になりつつある。従来は自社倉庫など大規模な投資が必要だったが、物流技術とフルフィルメントの普及により、事業規模を問わず高度な配送インフラを取り込める環境が整ってきた。
Cafe24は、この物流基盤を中小のオンライン事業者にも開放する形で、「毎日配送」を提供している。事業者がCafe24の提携物流会社に商品をあらかじめ入庫しておけば、注文発生後に物流センターが365日体制で出荷する仕組みだ。
導入時に複雑な開発や大規模なインフラ整備は不要としており、店舗管理画面からFastbox、CJ Logistics、FASSTO、WeKeepといった主要物流会社の配送網をD2C店舗と直接連携できる。
これにより、事業者は全商品、または迅速配送が必要な特定商品群を指定し、365日出荷や当日配送、早朝配送を運用できる。自社倉庫や専任人員を持たなくても、大規模店舗並みの物流体制を構築できるとしている。
配送スピードの改善は、購入転換率にも直結する。調査会社Statistaによると、グローバルECの平均購入転換率は約1.6%だ。Cafe24が「毎日配送」導入後およそ7日間のデータを分析したところ、月間訪問者数1000人未満の初期ブランドでは、購入転換率が導入前の1.48%から導入後は2.99%へ上昇し、102%の伸びを記録した。
注文数でも増加傾向がみられた。毎日配送を導入したブランドでは、導入1カ月目の注文量が平均43.9%増え、6カ月目でも53.7%増を維持したという。
週末の注文動向にも変化が出ている。Cafe24が導入から30日以上が経過した96店舗を対象に調査したところ、金曜日の1日平均注文数は導入前比で40.2%増加した。金曜日の注文増加率は導入前比の導入1カ月目には3.1%だったが、運用が定着した4カ月目には83.5%まで拡大した。
実際、出荷リードタイムは平均34.5%短縮された。週末に注文しても発送が始まるという安心感が、週末売上の押し上げにつながったとみられる。
安定した迅速配送は、既存顧客の満足度向上に加え、新規顧客獲得にも寄与している。Cafe24によると、毎日配送を導入したブランドでは、新規登録者数が導入前に比べて約60%増加した。
効果は、即時性や鮮度が重視されるカテゴリで特に大きい。生活用品カテゴリーでは導入後の注文量が67%、食品カテゴリーでは43%増加した。
事例として、筋肉・関節パッチを扱う専門ブランドInverbでは、毎日配送の導入後2カ月間の注文件数が125%増加した。商品詳細ページ上部に「当日出荷」と明記して以降、配送遅延に関する否定的なレビューに代わって、「配送が速い」といった肯定的な評価が見られるようになったという。
Cafe24は、物流は経験や勘に頼るのではなく、データに基づいて診断し、システムとして運用すべき領域だと位置付ける。このため同社は、出荷業務にとどまらず、データに基づく物流診断機能も提供する。店舗ごとの平均出荷時間やキャンセル率などを分析し、個別の目標値を提示するなど、ワンストップで支援する方針だ。
事業者が物流実務に追われず、商品企画やブランド訴求といった本来業務に注力できる環境を整えることが狙いだ。複雑な物流工程を検証済みのフルフィルメントに委ねることで、安定的かつ持続的なオンラインビジネスの基盤強化につなげるとしている。