LG U+が動画配信サービス「U+モバイルtv」の終了に向けた手続きに入った。これにより、通信3社が展開してきた独自OTTは事実上、幕を閉じる見通しだ。各社はグローバルOTTとの競争激化を受け、IPTVを軸とする戦略へ再編を進めている。
業界によると、LG U+は来月末でU+モバイルtvを終了し、IPTVとの連携を強化した新たなモバイルアプリ「U+tvモバイル」を投入する見込みだ。すでに利用規約の変更を政府に届け出たという。
今回の決定で、通信3社はいずれも独自OTTから撤退する形となる。SK Telecomは「オクスス」、KTは「シーズン」をそれぞれ運営していたが、これまでに事業整理を進めてきた。
SK Telecomは2019年、地上波3社と共同で「オクスス」を「Wavve」に統合した。KTも2022年に「シーズン」を「TVING」に統合し、独自OTTを終了した。LG U+は比較的遅くまで独自サービスを維持してきたが、利用者の減少に加え、コンテンツ投資負担も重く、撤退を決めたとの見方が出ている。
独自OTTの整理後、通信3社はIPTV中心にメディア戦略を組み直している。中核となるのは、既存のIPTV加入者基盤を生かしたモバイル連携の強化だ。
SK Telecomは「モバイルBtv」、KTは「ジニTVモバイル」を通じて、IPTVとモバイルの連携を強化してきた。LG U+も新アプリ「U+tvモバイル」で、同様の戦略を本格化させるとみられる。
業界では、U+tvモバイルは新たなコンテンツプラットフォームというより、IPTVと連動するコンパニオンアプリの性格が強いとの見方が多い。IPTVで見ていたコンテンツをモバイルで継続視聴したり、アプリをリモコン代わりに使ったりする機能などが想定される。
通信各社による独自OTT撤退とIPTV・モバイル連携の強化は、グローバルプラットフォームとの競争環境を踏まえた現実的な戦略転換との見方が強い。コンテンツの独占力と資本力を持つグローバル勢に対し、通信会社が独自OTTではなく、既存の加入者基盤を持つIPTVとの連携を選ぶのは自然な流れだという分析だ。
ソンムン大学経営学科のキム・ヨンヒ教授は「すでに多くの加入者を確保しているIPTVをモバイルと結び付け、相乗効果を狙う『選択と集中』の戦略とみることができる」とした上で、「OTTに匹敵するユーザー体験を構築できるかが鍵になる」と述べた。
今後はモバイル連携に加え、コンテンツ競争力の強化も課題となる。単なるプラットフォーム連動だけでは、利用者の定着を高めるには限界があるためだ。
SK Broadband、KT、LG U+は、400億ウォン規模(約44億円)の「IPTV戦略ファンド」を共同で組成し、映像コンテンツ投資に乗り出す方針を示している。
グローバルOTTが大規模投資による独占シリーズや大型イベントで利用者を引き付けているのと同様、IPTVでも「キラーコンテンツ」の確保が欠かせないとの指摘がある。キム教授は「長期的にはモバイル連携にとどまらず、スポーツ中継のようなリアルタイムコンテンツの強化策も検討すべきだ」と語った。