SK hynixの2026年1〜3月期決算を巡り、市場予想を上回るとの見方が強まっている。Samsung Electronicsが市場予想の上限を約20兆ウォン上回ったことを受け、同じくメモリ市況の追い風を受けるSK hynixでもコンセンサス超えへの期待が高まっている。とくにNAND事業は、営業利益が前年同期比で150倍に拡大するとの試算もあり、追加の上振れ要因として注目されている。
証券各社によると、SK hynixの第1四半期の営業利益コンセンサスは約35兆2000億ウォン。個別では、Hana Securitiesが36兆9000億ウォン、Mirae Asset Securitiesが38兆9000億ウォン、Daishin Securitiesが39兆6000億ウォンと見積もっている。
SK hynixは直近4四半期連続でEPSが市場予想を上回っており、上振れ幅は5.9%から73.5%に達した。2025年10〜12月期も、EPSは22.6%、売上高は6.9%それぞれコンセンサスを上回った。Samsung Electronicsの上振れ幅を踏まえ、SK hynixでも市場予想の上限を超える可能性があるとの見方が出ている。
業績上振れの背景には、複数の要因がある。Hana Securitiesは、サーバー向け需要の底堅さに加え、モバイルやPC向けの顧客が今後2〜3四半期で想定される追加値上げを見越し、メモリ調達を前倒ししたとみている。Appleなどの大手テック企業が、メモリコスト上昇局面をシェア拡大の機会と捉えたことで、モバイル向け製品の値上げ幅が広がったとの分析もある。
長期契約の拡大も、今四半期から収益に影響し始めた。Mirae Asset Securitiesによると、大手テック企業は前受金を伴う3年以上の長期契約を本格的に結び始めており、価格よりも数量確保を優先しているという。Daishin Securitiesは、2027年末までDRAMの生産能力が限られるため、事前確保に出遅れた顧客の供給不安が、サプライヤー側の価格交渉力を一段と高めると分析した。長期契約の価格水準が維持されれば、ROEは60%台を維持できる可能性があるとの見方も示している。
第2四半期の価格交渉でも、民生向け顧客がコスト負担を抱えながらも、一定の値上げを受け入れているとされる。Daishin Securitiesは、2026年の汎用DRAMのASPが前年比253%上昇すると予想し、従来予想の218%から引き上げた。SK hynixの通期営業利益見通しは、Hana Securitiesが231兆7000億ウォン、Mirae Asset Securitiesが254兆4000億ウォンとしている。
NAND事業の改善ペースにも注目が集まっている。Kyobo Securitiesによると、3月のNAND輸出額は25億ドルで前月比81%増となり、輸出単価も22%上昇した。企業向けSSDの受注急増と長期供給契約が値上げを主導したと分析している。Hana Securitiesは、SK hynixの第1四半期のNAND営業利益を6兆3000億ウォン、営業利益率を50%と試算しており、前年同期の420億ウォンに対して約150倍に当たるとしている。
構造面でも、NAND需要拡大を支える条件が整いつつある。AI推論の拡大に伴うメモリ階層化を背景に、企業向けSSDやKVキャッシュ、HBFなど製品の多様化が本格化している。Kyobo Securitiesは、サーバーSSD需要の構成比が2025年の29%から2026年に41%、2028年には54%まで高まると見込む。需要が増える一方、供給側で最小投資の姿勢が続けば、価格が想定以上に上振れしやすい構造になるという。Daishin Securitiesは、2026年のNAND ASPが前年比164%上昇すると予想し、従来予想の114%から上方修正した。
SK hynix自身のNAND事業拡大も追い風となりそうだ。同社は8日、321層QLC NANDをベースにしたクライアントSSD「PQC21」の開発完了を発表し、Dell Technologies向けを起点に供給を本格化すると明らかにした。IDCによると、世界のコンシューマー向けcSSD市場に占めるQLC NANDの比率は2027年に61%となり、2025年比で約3倍に拡大する見通し。大容量・高効率製品のラインアップ拡充は、第2四半期以降のNAND事業の収益改善をさらに後押しする可能性がある。
SK hynixの2026年1〜3月期決算発表は、4月29日午後3時を予定している。