Adam Back氏(写真提供:Blockstream)

米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が、ビットコインの創始者サトシ・ナカモトの正体について、英暗号学者でBlockstreamのCEOを務めるAdam Back氏である可能性があると報じた。暗号資産メディアのThe Blockが8日(現地時間)、伝えた。

報道によると、ピュリツァー賞受賞記者のJohn Carreyrou氏は、過去1年にわたり、インターネット上の投稿、法廷記録、電子メールのアーカイブなど数万件を分析した。サイファーパンクのメーリングリスト投稿13万4308件を収録したデータベースを用い、初期の暗号資産関連メーリングリスト利用者620人の中から候補を1人にまで絞り込んだという。判断材料として、ハイフンの使い方の誤りやつづりの誤り、文体の癖も検証したとしている。

Carreyrou氏は、Back氏が1997年にサイファーパンクの投稿で、ビットコインの中核となる5つの要素すべてに言及していたと指摘した。これはビットコインのホワイトペーパー公開より10年前に当たる。具体的には、既存の銀行システムから切り離された電子現金、支払者と受取人のプライバシー保護、分散型ネットワーク、希少性の担保、銀行への信頼を前提としない仕組みを提案していたとしている。

また、サトシがビットコインのホワイトペーパーで引用した「Hashcash」はBack氏が考案した技術であり、「b-money」とHashcashを組み合わせる発想もBack氏が先に示していたとNYTは伝えた。

Carreyrou氏は、2024年のHBOドキュメンタリー「Money Electric: The Bitcoin Mystery」にも注目した。番組内で制作者がBack氏をサトシ候補の1人として挙げた際、ラトビアのリガにある公園のベンチで話を聞いていたBack氏の表情が硬くなった場面を見て、疑念を抱き、調査を始めたと説明している。

一方、Back氏は自身がサトシだという見方を一貫して否定してきた。HBOのドキュメンタリーでも否定し、会話内容を公表しないよう求めたという。Carreyrou氏は、Craig Wright氏の訴訟でBack氏が提出した電子メールについて、メタデータの提供を求めたものの、2度にわたって返答はなかったとしている。

サトシ・ナカモトの正体をめぐっては、これまでもさまざまな憶測が浮上してきた。HBOのドキュメンタリーは、カナダのソフトウェア開発者Peter Todd氏を候補として取り上げたが、Todd氏は直ちに否定した。Nick Szabo氏、Hal Finney氏、Len Sassaman氏も候補として名前が挙がっている。

オーストラリアのコンピューター科学者Craig Wright氏は、長年にわたり自身がサトシだと主張してきたが、2024年5月にロンドン高等法院でその主張が虚偽と判断され、文書偽造も認定されて敗訴した。

さらにWright氏は2024年12月、裁判所命令に違反したとして、懲役1年の執行猶予付き判決を受けた。

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