米大手投資銀行のMorgan Stanleyが、ビットコイン現物ETF「Morgan Stanley Bitcoin Trust(MSBT)」をNYSE Arcaに上場する。低い手数料と広範なアドバイザーネットワークを強みに、既存商品の競争環境に変化をもたらすかが注目されている。
ブロックチェーンメディアのBeInCryptoが7日(現地時間)に報じた。取引開始は8日夜となる見通しだ。
今回の上場は、大手銀行が販売にとどまらず、自社名義のビットコイン現物ETFを直接上場する初の事例となる点で意味合いが大きい。Morgan Stanleyは約1万6000人の財務アドバイザーを抱え、6兆ドル超の顧客資産を管理しており、市場では単なる新規ETFの追加以上のインパクトを持つとの見方が出ている。
市場の関心は、上場初期の勢いを見極める5つの指標に集まっている。
第1は取引量だ。初期需要を測る最も分かりやすい指標となる。2024年1月に米国でビットコイン現物ETFが上場した際、初日の合算売買代金は約46億ドルに達した。MSBT単体で5億〜10億ドル規模の取引を記録すれば、順調な立ち上がりと受け止められる可能性が高い。売買が活発であるほど、Morgan Stanleyの販売網が実際の資金流入につながっていることを示す材料になる。
第2は市場価格と純資産価値(NAV)の乖離だ。新規ETFでは、上場直後に期待先行でプレミアムが付くことがある。MSBTの価格がNAVに沿って安定的に推移すれば、マーケットメイク機能が円滑に働き、機関投資家の参加も進んでいるとみられる。一方、ディスカウント状態が続けば、初期需要が想定を下回っている可能性を示す。
第3は手数料競争である。MSBTの経費率は0.14%で、Grayscale Bitcoin Mini Trustの0.15%を0.01ポイント下回る。BlackRockのiShares Bitcoin Trust(IBIT、0.25%)との差は0.11ポイントだ。ビットコイン現物ETFは商品性の差が限られるため、コスト差が中長期の資金フローを左右するとの見方が改めて意識されている。
第4は、ビットコイン価格そのものよりも、アドバイザーが初期段階でどの程度ポートフォリオに組み入れるかだ。Morgan Stanleyのアドバイザーは一部顧客に対し、暗号資産の配分比率として2〜4%を推奨してきたとされる。この水準が実際の運用に反映されれば、相応の資金流入につながる可能性がある。
第5は初日の純流入額だ。MSBTは約100万ドルのシード資金でスタートし、設定額の積み上がりが速ければ、アドバイザーネットワークを通じた実需が確認されたとみることができる。逆に流入が限定的にとどまれば、需要がすでに既存ETFに定着している可能性も指摘されそうだ。
Morgan Stanleyは今回のETFに加え、E*TRADEを通じたビットコイン、イーサリアム、ソラナの現物取引の導入や、ソラナ・トラストの投入も進めている。資産管理部門は、暗号資産の直接取引を事業拡大の一端にすぎないと位置付けており、今後はカストディ、ウォレット、トークン化資産へと領域を広げる計画を示唆している。