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AI企業のAnthropicが大規模な計算インフラの確保を進めている。AI向けの電力需要が急拡大するなか、データセンター用地や電力の確保競争が強まり、ビットコイン採掘企業の事業転換にも波及し始めた。

ブロックチェーン系メディアのCryptopolitanが7日(現地時間)に報じたところによると、AnthropicはBroadcomを通じて、約3.5GW規模の次世代Google TPU計算資源を確保した。インフラは2027年から順次稼働し、同社のAIモデル「Claude」の学習とサービス提供に充てられる。

今回の調達は単発ではない。米国証券取引委員会(SEC)への提出資料によれば、Broadcomは2031年までGoogleとカスタムTPUチップの設計・供給契約を結んでいる。

Anthropicは2026年時点でも、約1GW規模のGoogleの計算資源の供給を受けていると報じられた。確保したインフラの大半は米国内で整備される見通しだ。

事業拡大の勢いを示す業績指標も明らかにした。Anthropicは、年換算売上高が300億ドルを突破し、2025年末時点の約90億ドルから3倍超に拡大したと発表した。

年間100万ドル以上をClaudeに投じる企業顧客も、短期間で500社から1000社超へ増えたという。

3.5GWという規模は、送電網や用地の確保競争を一段と激しくする水準だ。1GW級のデータセンターは約100万世帯分の電力使用量に相当するとされ、AIは米国における主要な新規電力需要の一つに浮上しているとの見方が出ている。

こうした流れのなか、ビットコイン採掘企業は電力多消費型の採掘事業から、AI向けインフラ提供へと軸足を移しつつある。Core Scientificは、約1.2GW規模のAIホスティング向け転換資金を確保するため、保有ビットコインの相当部分の現金化を進めている。

Hut 8はルイジアナ州で、Anthropicを主要テナントとする15年・70億ドル規模のデータセンター契約を締結した。資金面ではGoogleが支援する枠組みと伝えられている。

TeraWulfも長期のAIホスティング契約を通じ、HPC関連で約128億ドル規模の売上を確保したという。

こうした転換の背景にあるのは、ビットコイン採掘の採算悪化だ。足元では、一部の採掘企業でビットコイン1枚の生産当たり約1万9000ドルの損失が出ていると推定されている。

生産コストが8万ドル近くに達する一方、ビットコイン価格は7万ドル台にとどまっているためだ。

AIインフラへの投資額は、1MW当たり800万〜1500万ドルと、採掘設備を上回る。ただ、AnthropicやGoogleのような大口顧客と長期契約を結べば、安定したキャッシュフローを見込めることが、事業転換を後押しする主因とされる。

一方、こうした変化はビットコイン市場にも影響を及ぼす可能性がある。採掘企業によるBTC売却は現物市場の売り圧力になり得るほか、電力の一部がAI向けに振り向けられれば、ネットワークのハッシュレートが短期的に低下するとの見方もある。

実際、直近では採掘難易度が約7.76%低下したことが確認されており、産業構造の変化を示す初期兆候と受け止められている。

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