米国とイランの対立を巡り、土壇場で外交進展への期待が強まったことで、世界の金融市場が大きく動いた。中東情勢の緊張緩和観測を受けて原油は急落し、ビットコイン(BTC)は再び7万ドル台を回復した。
7日(現地時間)、ブロックチェーンメディアのBeInCryptoによると、これまで相場の重荷となっていた供給途絶や全面衝突への警戒感は、交渉進展を示すシグナルを受けて急速に後退した。
米CNNは地域筋の話として、「近く前向きな知らせが出る見通しだ」と報じた。ドナルド・トランプ米大統領が示した期限より前に合意が成立するとの見方が広がり、数時間前まで紛争拡大を警戒していた市場心理は一気に改善した。
市場は即座に反応した。ビットコインは下落分を急速に取り戻し、6万9900ドル近辺まで反発した。国際原油はそれまでの上昇分の大半を失い、急落した。トレーダーの間では、ホルムズ海峡封鎖など供給停止シナリオの可能性を低く見る動きが広がったとの見方が出ている。
今回の相場変動の背景には、トランプ大統領による期限設定を伴う圧力があった。トランプ氏は7日、イランに対し、米国案の受け入れ期限を米東部時間午後8時に設定したとされる。この提案にはホルムズ海峡の開放が含まれ、応じない場合には発電所や交通網など主要インフラを標的とする大規模攻撃の可能性も警告したと報じられた。
これに対しイランも、地域内での報復を示唆し、対抗姿勢を強めた。緊張が高まった局面では原油が急騰し、リスク資産全般でボラティリティが拡大した。ただ、期限が近づくにつれて仲介に向けた動きも強まった。パキスタンは主要な仲介役として、交渉期限の2週間延長を正式に要請。シェバズ・シャリフ首相は、暫定停戦とホルムズ海峡の開放を「善意の措置」として提案した。ホワイトハウスは、トランプ大統領がこの案を検討しているとし、イラン側も延長案に前向きな姿勢を示したとされる。
シャリフ首相は外交努力について、「近い将来、実質的な結果につながる可能性がある」と強調した。
一方で、米国とイランが2週間の停戦とホルムズ海峡の開放を巡り、事実上合意したとの情報も伝わった。トランプ大統領が、2週間の停戦とホルムズ海峡開放を条件に対イラン攻撃の停止を宣言したのに続き、イラン側も両国が2週間の停戦に同意したと確認したとされる。
もっとも、今回の合意は2週間の停戦という時限的な措置にとどまる。今後、交渉がどこまで進展するかが、市場の次の方向性を左右する最大の焦点となる。停戦期間中に実質的な外交成果が得られなければ、緊張が再燃する可能性もあるとの見方が出ている。
市場では、最悪シナリオをいったん織り込みから外す動きが進んでいる。ただ、今回の合意が一時的な沈静化にとどまるのか、それとも中長期的な緊張緩和につながるのかは、今後の追加交渉の行方にかかっている。